第四十七話 薔薇宮 ページ48
「……西区のクズ共が!」
がたん、机を殴りつける。机は私の腕力に耐えきれずに真っ二つになった。
西区から亡命した阿喰を保護したら戦争をふっかけてきやがったわ。まあ、元より冷戦状態だったから、いずれこうなるとは分かっていたけど。
ちょっとのんびりしすぎたのかしら?千年くらい生きてきたからかしら、時間にルーズになってきた気がする。私にとっては、一日も一年も、そう違いのないものだったから。
しかしまあ、よくもやってくれたわね。あっちはこっちを潰したいみたいだし。阿喰の話だって、おそらくはただの大義名分。それでも、やるしかないわね。やりたくなかったけど。
勝っても負けても、東区の発展という目標からは遠ざかるでしょうし。
私は妹と夫に会いたいの。でも、東区を発展させないと、二人に会えない……フィーとも、和哉さんとも。
それに、やるべき事はまだまだたくさんあるわ。新しい身体を得なければいけないし。……ローザが行方不明になったから、これも私一人でどうにかしないといけない。ああ腹立たしいわ。
あと、レヴィアタンにも提示報告しないといけない。私は電工端末を操作し、彼に通話を繋げる。
「もしもし、こちら薔薇宮。提示報告の時間よ。ねぇ、レヴィ……」
「今忙しいから後にしてくれない?」
通話は一方的に切られた。
……。
「クソったれ!」
今度は畳を壊した。
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ミクミキ(プロフ) - 終わりました! (2019年11月13日 20時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - 更新します! (2019年11月13日 19時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - 終わりました! (2019年11月12日 21時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - 更新します! (2019年11月12日 20時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - 更新しましたー (2019年11月9日 22時) (レス) id: ed034718e4 (このIDを非表示/違反報告)
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