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第三十五話 ゼーゲン ページ36

「ゼーゲン様、そろそろ疲れてませんか?」

私は補佐官ウィルの声を聞き、先程まで睨みつけていたディスプレイの群れから目を離した。

「この程度平気ですよ……と言いたいのですけれど、流石に目が疲れてきましたね」

「ホットアイマスクっていうのが効くらしいですよ!ゼーゲン様、買ってきましょうか?」

「ありがとう、ウィル。気持ちはうれしいけれど、もうしばらく時間がかかりそうなので、アイマスクは今は使えませんね」

やんわりと伝えると、すこししょんぼりとした目になったウィルはやりどころのない視線を床に落とした。そんな彼の、私と同じ匂いのする頭髪を撫でながら彼に提案をしてみた。

「そうだ、少し仕事を手伝ってくれませんか?」

ウィルは護衛としては十二分に力を発揮してくれるが、書類仕事は不向きなので普段はあまりこのようなことはしないのだが、今日は特別だ。東区でのミュータントの脱走、西区では医療サービストップが失踪、そして秘密結社(反逆者)どもと、問題が立て続けに起こっており、一人では冴えたやり方が思いつかない。ウィルならばもしかしたら突飛で優れた解決策を思いつくかも、という可能性に賭けるというのも悪くないだろう。

「最近、南区のどこかでよからぬ集団が何かを企んでいるという噂があるんです。どうも、かつて人類から地上を奪った組織の『何か』を目覚めさせたという話で……貴方なら、どう対処します?」

「ゼーゲン様に従います!」

満面の笑みがまぶしい。

「……質問を変えましょうか。もし貴方が私の立場だったなら、どうしますか?」

「うーん……俺なら、全員殺しておきます」

「なるほど……」

やはり適材適所……というか、不適材不適所以外というべきか、ウィルにはこういうことは向いていないから意見を聞くべきではなさそうだと再認識できた。「疑わしき」の段階で皆殺しにするようなものは、私の目指す統治者像とは程遠い。かといって、何かあってからでは……

「……一旦休憩しましょうか。ウィル、ホットアイマスクとやらでも試してみましょうかね」

「はい、ゼーゲン様!」

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ミクミキ(プロフ) - 終わりました! (2019年11月13日 20時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - 更新します! (2019年11月13日 19時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
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ミクミキ(プロフ) - 更新します! (2019年11月12日 20時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - 更新しましたー (2019年11月9日 22時) (レス) id: ed034718e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミクミキ x他4人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年10月14日 19時

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