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第四十五話 ブラウ ページ46

今日は地下都市散策の日。僕とフラム、それからドロシアさんの三人で、南区を自由に見て回ってきたらいいとのこと。この世界の実情を知ることが、きっと世界を変えるためには必要だから。

「二人とも、あそこにセリニがおすすめしてくれたカフェがあるわ。そこで一休みしましょう」

「はーい」

ドロシアさんの勧めで、僕たちはカフェに足を運んだ。
南区は人が多く賑やかだけれど、この店はやや静かで、のんびりとするにはちょうどよさそうだ。

「いらっしゃいませ」

「……そうね、あの壁際の席にしましょう。一つ椅子が余るけど、荷物置きにすればよさそうね」

そう言って、ドロシアさんは隅のほうの席に着き、僕とフラムは横に並んで仲良く座った。
本物の木ではなさそうだが、美しい木目模様のテーブル。その上に、人数分のレモン水とメニューが並べられた。ぱらりとめくってみると、カフェにお似合いのメニューから、僕らの生きていた国では見かけないような食べ物までいろいろと載っている。

「ンー……ボク、このバラ肉のカレーにしてみよっかナ。あとイチゴパフェ!」

「僕は無難にほうれん草のキッシュで。福神漬けはもらうよ」

「私は……ミネストローネだけでいいわ」

注文してから料理が出されるのを待つ間、無料のレモン水をかぱかぱ飲みまくるフラム。呑気な弟とは対照的に、ドロシアさんは浮かない顔をしていた。

「……どうしたの?」

「仕方ないことよね……あ、なんでもないから、気にしないで」

「そういう風に言うときは、大抵なにかあるんだヨ」

ブラウに指摘され、ドロシアさんはため息をついてから話し始めた。

「……あなたたちの生きていた時代って、どんなものを食べてたの?」

「メニューにあったみたいなものだよ」

「タピオカティラミスとかはなかったけどネ」

「私の出身地とかについて、誰かから聞いた?」

僕は首を横に振った。

「そう……あのね、落ち着いて聞いてほしいんだけれど……」

と言いかけたドロシアさんを遮るように、カレーが運ばれてきた。

「こちら、バラ肉のカレーです。それではごゆっくり」

「わーい、いただきまース」

ブラウはさっそくスプーンで美味しそうに料理を食べ始めた。それをドロシアさんは静かに見つめている。

「うーん、ちょうどいい中辛!……でもこれ、牛でも豚でもない味……あ、もしかして合成肉!?憧れのディストピア飯!?」

「違うわ。それはきっと、私の姉妹の肉よ」

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ミクミキ(プロフ) - 終わりました! (2019年11月13日 20時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
ミクミキ(プロフ) - 更新します! (2019年11月13日 19時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
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ミクミキ(プロフ) - 更新します! (2019年11月12日 20時) (レス) id: eada72cfbe (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - 更新しましたー (2019年11月9日 22時) (レス) id: ed034718e4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミクミキ x他4人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年10月14日 19時

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