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草むしりを終え、施設の片付けや買い出しなどのお手伝いをしていると、あっという間に夕暮れになってしまっていた。太陽が沈みゆき紫に変わる空と赤い雲の対比を眺めるのが、私は好きだった。

 明日は学校だ。時間割りも既にやっているし、着ていく服だってばっちり決めている。ああ、でも。そういえば、サリエルの課題を手伝ってやらないといけないんだった。うっかり忘れるところだったわ。いけないいけない。

「おねえちゃん、せんたくもの、たたんでおいたよ!おねえちゃんのはそっちにあるからね!」

 優しいフィーは私のお手伝いも手伝ってくれる。まだちょっと下手だけど、着実に上手になってきているわ。何てすごいのかしら!今度、お菓子を買ってあげないと。フィーの好きな薔薇のジャムも作ってあげようかしら。庭で管理している薔薇、とても美味しいから。

 とりあえずサリエルに課題を教えてあげないとね。サリエルとアズリエルの部屋の扉をノックする。こんこんこん、こんこんこん。

「いるよー、でも、今は手が離せないの。入って!」

 開けると、サリエルは右目に目薬をしていた。

 サリエルは右目が悪いから、いつも右目に眼帯をしていて、そして決まった時間に目薬をする必要がある。今がちょうどその時間だったのだろう。だが私は、普段は晒されていないサリエルの不自由な右目に目が行った。

 粘ついてどろどろな黄色の膿と、真っ赤な血が混ざった汚い汁が、まるで涙のように滴っていて。白目は黄色に変色して、またひどく充血している。

 ふとサリエルのそばにあった机を見る。そこには汚れた眼帯が置かれていた。乾いてこびりついた膿と血が、変な模様を作っていた。嘲笑う人間の顔のような、恐ろしい模様を。

「……サリ、エル……」

「ん?なぁに?」

 サリエルは特に何か言うわけでもなく、こちらを見る。その動きが、怖かった。その目が、まるで怪物のようで。

 けど、怯えるのは間違いよ。だって、サリエルは病気でこうなっただけだもの。サリエルだって好きでこうなったわけじゃない。それに、サリエルは友達。友達を嫌うわけないじゃない。

「……課題、教えに来たわ。早く終わらせましょ?」

「サンキュー!お願いします、スージー先生!」

 おちゃらけるその仕草にも、不安感しか感じられなくて。私は無理矢理な笑顔を作った。

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レモネイド - これは名作の気配。続きを期待。 (2019年8月23日 16時) (レス) id: a343b5b023 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミクミキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年7月25日 18時

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