フォボス症候群４ (ページ7)

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第百三十五話　シラベページ7

全てが終わる少し前、ボクはカンパニー周辺を歩いていた。

時々出てくる生物兵器を撃ち殺しながら適当に歩いていた。

すると、ふと、目線の先に何かがいた。ズタボロになったフィリアさんとフィリアさんを痛め付けている化け物だった。

フィリアさんの怪我なんて、大ケガどころではなく、完全に致命傷を負っていた。なのに、生きているなんて驚きだ。いや、そんなことはいい。フィリアさんを助けなくては……

ボクは、フィリアさんを襲う化け物に腕で作った拳銃を構える。

パァンッ！

一発撃った後思いっきり走り、化け物の腹に向かって飛び蹴りをかます。綺麗に蹴りを入れたはずだから、吹っ飛んでフィリアさんが助かるはずだ。

しかし、現実はそう甘くはない。

化け物は不自然に腹を守るように僕の蹴りを受け止める。

──何故、腹を庇った……！？

ボクは目を見開き化け物を見る。

不自然に腹を庇ったせいだろう。変に吹っ飛んで化け物のコートがはだけ、腹が露になる。

ボクはその腹を見て、また目を見開いた。

化け物の腹はふっくらと、不自然に膨らんでいた。

「ちょっと！？え！そのお腹ッ！まさかッ……！」

ボクが慌てふためいてオロオロしている隙に化け物は羽を広げ飛び去っていった。

ポカーンと大空へと羽ばたいていく化け物を見つめていると呻き声がする。

「あっ！フィリアさん！大丈夫ですか！？」
ボクは、ハッとなり彼の元へ急ぐ。未だに大ケガ以上の怪我をしているのに不思議に思ったがそれはそれだ。

「えっと……とりあえず、治療、しますね？」
そう言うとフィリアさんは安心した顔で頷いた。

ボクは、テキパキと体を変化させてフィリアさんの怪我を治していった。