フォボス症候群４

第百三十三話 ？？？？ ページ5

痛い。


ただただ痛い。痛い。痛い。
頬も、肩も、足も、全部全部全部痛い。

全ての感覚が痛みに変わりつつある中で、瓦礫の上に立ち上がる。
おかしい。違う、俺が見ていた世界はこんなに空が遠くない。いや…少し遠いだけだが、なんだかとても遠くに感じた。

下を見る。やけに地面が近い…まるで身長が小さくなった様な気がする。


でも、そんな事はどうでもいい。アイツは？アイツは無事か？瓦礫に潰されそうになったアイツ……



は?



アイツ？アイツ…？アイツって誰だ？

幼馴染……そうだ、幼馴染。でもその幼馴染って？名前？性別？容姿？好きなもの？嫌いなもの？
なんだ？なんでだ？分からない。
そうだ、瓦礫に潰されそうになって…そこから？どうなった？全くわからない。覚えていない。知らない。……………なぜ？







なぜ?何故?ナゼ?なんで?何で?ナンデ?どうして?ドウシテ?







答えは出てこない。

ああ、探さないと。





アイツは、俺が居なきゃ何も出来ない。

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