フォボス症候群４

エピローグ ページ15

ビルの屋上。フードを被った女性は開いた本を見ながら立っていた。

今回の事件が終わりました。

まだ、解決を続けますか?

「……YES」

了解いたしました。

解決、考察を続けます。

意思のあるかの様に文字が並べられていく。本と会話するかの様に本はつらつらと反応する。パーカーの女性はその本をパタリと閉じた。

「世界は終わらない。人の手で終わったとしても。まだまだ、物語は続く」

「……それこそ、混沌的だ……なんてね。そうでしょう？ ××××？」

女性の後ろに立つ男性に話しかけると男性はニタリと嗤った。

女性は復興が進む町を見下ろしながらただ、退屈そうに溜め息をついた。

→


「フィリアさーん？ いますかー？」
会長代理になった調は怪我で自宅療養中のフィリアの自宅を訪れた。昨日の出来事を伝えに来たのだ。

「？ いない？ あ、開いてる。フィリアさーん！入りますよー！」
本来は不法侵入に値するかもしれないが玄関が空いている。もしかしたら、彼のミスかも？ みたいな感じで何事もなく躊躇いもなく入っていった。


→→

くらい。くらい。ここはどこ？

あかるい。あかるい。あなたはだれ？

────。

いもうとをたすけたい。ねーさんたちをたすけたい。にーさんをたすけたい。ぼくのからだ。かしてあげる。

────。

いいよ。また、いきれるならば。ぼくのからだ。すこしのあいだだけ、かしてあげる。だから、だから。

────？

ちょうをまもって。しらべにーさんをまもって。うたねーさんをまもって。かなでねーさんをまもって。ひびきねーさんをまもって。

────。

うん。ありがとう。

→→→

ああ、やはり死んでしまったのか。真っ暗な世界の中、私は、倒れたまま、考えていた。てか、なんで、意識あるのかしら？

────。

だぁれ？貴女は？

────。

成る程ね。いいよ。かしてあげる。その代わり。

────？

私の家族を守ってね。

──、────！───。

そ、ありがとう。

→→→→


─WPSの皆と調、唄、長へ─

ハローハロー！アタシは現在アメリカにいます！

最近どす黒い考えにおかされることもあるが何とかやっていってるよー。しかし、なぜ、そんな考えに陥るのだろうね？よくわからん。

あと、三年。三年後には日本に帰るよ。それまで、調。頑張ってね。

─奏より─

→→→→→

次ページ→←第百四十二話　フィリア

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す