フォボス症候群 (ページ39)

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第三十八話ヒトミページ39

「ああ、よろしくなハニー！」

誰だコイツ。
俺は見たこともないマコトの綺麗な笑みを見つめながら思った。

「ヒトミ、お茶を片付けといてくれ！」

未だに脳が追いつかない。カンパニーのやつと協力？今さっきまで全員捨て駒とか言ってたマコトが？
……あ～…脳が追いつかない。

「……分かった。」

俺は立ち上がり、一口も飲まれていない紅茶を片付けに別の部屋へ向かった。

………………

俺が紅茶を片付け、リビングに戻った頃にはもうスザンナさんは帰っているようだった。

「本当にすんのか？協力…」

俺が少し緊張した空気を作ろうと真面目に話すと、マコトはふざけたような、真面目なような雰囲気で答えた。

「はは！！ひとちゃん…何を言ってるんだ？協力なんてする訳ないだろう」

「だろうな」

予想通りすぎて逆に笑えてくる。俺は壁に寄っ掛かりながら、マコトに質問を続けた。

「協力しないって事は利用するって事だろ？具体的にはどんな風に？」

「まぁ恋人って事で適当に演技しながら、ある程度自由に動いていくだろ？でスザンナから上層部について言われた段階でスザンナを殺す。上層部がいるんならスザンナは社員って事だろ？なら殺すのは簡単だ。」

「へぇ～…どう殺す？俺が殺そうか？」

「どっちでもいい。」

ここぐらいは俺が決めろってか…めんどいなぁ

「じゃあ俺が殺すよ。まぁ俺はマコトの言った通りに動くから…お前が殺したくなったらいつでも言えよな」

「わかった。スザンナも捨て駒だ…いらないと思ったらすぐ切り捨てる。」

本当にコイツ心が無いなぁ……

「……ふふ…！ここから楽しくなるぞ……！！！」

楽しくなるのはお前だけなんだが……まぁいいや、マコトが楽しいならそれでいい。
俺に迷いなんてない。

「マコトが楽しいならそれでいいよ。」