私はずっと疾風のような彼が好きだった。 (ページ32)

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翠風の羽　中編　：兄目線ページ32

「壁山君、僕達はただの人間だ。できないことがあるのは当たり前の事…
…でも、やる前からできないって思ったらダメなんだよ！！
まだまだ時間はあるんだ。少しだけ頑張ってみようよ、ね？＾＾」

円「風鈴…！！」

壁「風鈴さん…俺…；」

「大丈夫…君だけが苦しい思いをしなくてもいい。僕達は仲間でしょ？支えあってこそがサッカーなんだよ。
僕だって協力するから…力になるから…！！」

壁「は、はい…！！；」

円「そうだ！いいぞ、風鈴！！
よーし！後半戦も頑張ろうぜ！！」

「「「おぉーっ！！！」」」

よし、後半戦だ！！

ピィー！！

後半が始まって、みんなから疲れが見え始めた。

特に円堂は、手が痛いはずなのにゴールを必死に守っている。

風「円堂ばかりに頼るわけにはいかない！！一人がダメなら二人…」

松「二人がダメなら、三人で守る！！」

DF、MF陣が必死に守る。

でも、相手以上に動くから体力がどんどん減ってしまう…；

それなら…！！

『…皆さんの体力は限界に近い……どうしたらいいの…っ！！；』

風「くっ…；；；」

「スネークショット！！」

円「ぐっ…；熱血―――「ポテージゼフィール！！」

僕が守るんだ！！

円「風鈴！！」

「手…痛い癖に…無茶するなっての！！」

僕はひたすら走る。

みんなにボールが渡らないように…

渡ったら、みんなまた無茶をするから…

「通さないコケッ！！」

「そのセリフ、そのまま返してやるよ！！エールドンジュ！！！」

「何！？」

翠風と天使の羽が舞う…

これなら高い位置でも出せるし、何より羽が邪魔をして前が見えなくなる。

そう、MFとして欠かせないドリブル技を手に入れたんだ！！

風「何だ！？あの羽は…；」

円「よーし！いいぞ、風鈴！！」

「いっけー！！壁山君！！豪炎寺君！！！」

壁「風鈴さん…」

―――大丈夫？

僕も、ダメだったんだ…高い所…

今の君と昔の僕…似てるでしょ？

やる前から諦めたらダメなんだよ！僕が力になるから！！

まだ時間はあるんだ…少し頑張ってみようよ…ねっ？―――

「これが俺の…イナズマ落とし！！！」

そう叫んで、壁山君は跳ぶ…

そして、上を向いた！！

円「そうか！上を向けば怖くない！！」

「壁山君…！！」

そして…！！

ピッピ―！！！

ゴール！！！

雷門中が一点先制したところで、試合は終了…

僕達…勝ったんだ！！