私はずっと疾風のような彼が好きだった。 (ページ27)

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翠風(みどりかぜ)の彼　：兄目線ページ27

こんにちは！風鈴です！！

野生中との試合まで残り少ないけど、みんな河川敷で特訓中！

キャッチ…

シュート…

スピード…

それぞれ各自で極めようと頑張ってる。

…僕？

僕はとりあえず、風丸と一緒にドリブル練習。

僕、FW・MFなのにDF技しか使えないもんで、ドリブル技欲しいんだけど…どうも上手くいかなくて；

イナズマ落としはまだ未完成だけど、壁山君も努力してるようだよ。

壁「どうしたってできるわけ無いっス！！！；」

ちょっと諦め気味だけど…；；

でもあの感じ……

懐かしいな…

「大丈夫かい？」

壁「風鈴さん…；」

「隣、いいかな？」

壁「あ、どうぞっス…」

僕は草むらに座る壁山君の隣に座った。

「ありがとう＾＾
…まだ怖い？高い所…」

壁「は、はい…；；」

「…そっか……

………僕もさ…」

壁「？」

「高い所…ダメだったんだよ」

今となっては恥ずかしいけどね；と続ける。

壁「そ、そうなんスか？」

「……うん、昔は嫌いだった。
僕ん家のこと…知ってるでしょ？僕は微風財閥の跡取り息子として育てられたんだ。
父は悪に…ああ、いや、まあとにかく頑固な人で！！；弱虫って言われ続けてたんだ」

壁「そうだったんスね……」

ふぅ…あっぶねー……

うちの家庭の事バラしたら、こいつらにも被害が及ぶかもしれないんだった；

「でもね、それを明鈴と円堂と風丸…そして…もう一人の幼馴染が救ってくれた…
頑張って克服しようと協力してくれたんだ」

壁「え…？；」

僕が空を見上げると、あの時の情景が蘇る…

――幼い頃、公園の滑り台で…

円「風鈴～前すすめよ！；」

「で、でも…こわいもん；；」

風「おとーさんにバカにされたくないんだろ？」

『がんばってください、風鈴！』

芹「またよわむしっていわれるよ～？」

「い、いやだそんなの！！で、でもこわい；」

円「こわいっておもーからこわいんだろー？もっとじぶんにじしんもてよ！！」

本当、あの言葉に支えられてきたよ…

「今の君と昔の僕…似てるでしょ？」((苦笑

壁「そ、それで風鈴さん…色々と協力してくれたんスか！？」

「まあね。じゃ、そういうことで…
試合までもう少しあるんだ…特訓頑張ろう。ねっ？＾＾」

ポンッ((壁山の肩に手を置く

壁「風鈴さん…」

あの時は僕が支えられた。

でも、今度は僕が仲間を支えなきゃ！！