私はずっと疾風のような彼が好きだった。 (ページ11)

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ごめんね　：主人公目線ページ11

はぁ…はぁ…

あら？ここはどこかしら…？

あれから、無我夢中で泣きながら走っていた。

『ここ…もしかして鉄塔の近く？』

というか、目の前まで来ていたようで；；

そういえば…一郎太君も守君も昔からここが大好きだった。

そして…私も……

ここは稲妻町全体が見えるから、広いこの街を見ていたら気持ちが晴れて…

自分の悩みなんて小さいものだなって思えた。

『せっかく久しぶりに来たんだし…登ってみようかしら…』

私は鉄塔を登ってみた。

…頂上

『うわぁ～！いい眺め！！』

…って、何回も登ったことがあるんですがね；；

でも、そんなことはどうでもいいくらいに…

『…風が気持ちいい……』

気持ちがどんどん晴れていくような気がした。

…って、大変！！

もう夕方じゃない！日が暮れてる！！；；；

暗くなる前に帰らないと…！！

『どうしよう；；；』

ピロリン♪

あ、メール……

蘭ちゃんからだわ；；；

涼森蘭

宛先：微風明鈴様

件名：大丈夫ですか？

お買い物の途中、風丸様が一生懸命何かを探しているご様子を見かけましたが大丈夫ですか？
サッカー部で何かございましたか？
私でよければいつでもお話を聞きますから、無理をなさらないで下さいね。

それと、あまり遅くならないように！

…だそうです；；

普段無口な蘭ちゃんですが、ああ見えて結構お優しいんですよ。
メールや手紙の時だけは素直に話してくれる…
そんな彼女が、私は大好きです！
だから、もっと笑ってほしいんですがね…

あ、一郎太君…何かを探してるって…もしかして私を？

一応連絡しておきましょうか；

風鈴にも…酷いことしたし……

微風明鈴

宛先：一郎太君

件名：ごめんなさい

一郎太君へ、

今は鉄塔にいます。
皆さんに、ご迷惑かけてしまって本当に申し訳ございませんと…
まだ顔を見せることはできなさそうですとお伝えください。
あれから皆さん大丈夫でしたか？
一郎太君にもいっぱい心配かけたと思いますが、もう大丈夫ですからね。

ありがとう。

宛先：風鈴

件名：ごめんね

風鈴、私のせいでご迷惑かけてすみません。
今日は先におかえりください。
すぐに私も帰りますから。
また後でね、お兄ちゃん。