【イナズマイレブン】私はずっと疾風のような彼が好きだった。【風丸一郎太】 (ページ7)

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――昼休み――

俺は、円堂と風鈴と明鈴と屋上で弁当を食べていた。

『今日も美味しいですね、風鈴！』

「うん！流石涼森さん」

二人の弁当は、明鈴のお世話役の涼森って奴が作っているらしい。

涼森って同じ学年なのにもう働いてるって凄いよな。

確か名前は、『涼森蘭』。

俺達が小学校卒業する少し前くらいに、二人の家に来たらしい。

…って言っても、俺もあんまり話したことないからこれ以上は分からない。

涼森は無口な上に不登校で、あまり学校に来ないから……

一応俺も、同級生として心配はしてるんだよな。

俺だけじゃない。円堂も、葉月も、風鈴も、明鈴も……この学校中みんな。

こんなに心配されてるのに、学校に来ないのはどうしてなんだろうな？

特にいじめとかがあるような感じでもないし、それどころかとても愛されている感じがする。

それが不思議で仕方がないんだが……;;

円「涼森って、あんまし学校来ねえよな。何かあんのか？」

微「涼森さんは、父さんがどこかの孤児院から連れてきた子なんだ。人見知りみたいで、僕も偶に無視されちゃうんだよねぇ…」

風「そうなのか？意外だな。風鈴と明鈴には懐いてるものかと…」

微「懐いてるのは明鈴にだけだよ。まぁ、明鈴の明るい性格からかもしれないけどさ」

風「…お前も大して変わらないよな？;;」

微「えっ？…そうかな。そうだといいけど」

…？

どうしたんだ？風鈴の奴。

風鈴は時々、皮肉そうに笑うことがある。

それは、いつものあの天然マイペースなあいつからは想像のつかない表情だ。

…でも、時々思うんだ。

風鈴は無理をして笑ってるんじゃないかってさ。

『…私、蘭ちゃんには幸せになってほしいです。前にいた孤児院にいた方が今よりずっと幸せかもしれないし、そうなら蘭ちゃんの幸せを優先して戻してあげたいんですが…』

風「明鈴は優しいな」

『そ、そんなことないです！！///』

「それにすっごく可愛いでしょ？」

『///』

照れてる辺り可愛いんだよなぁ///

本当に謙虚で可愛い奴。

俺はやっぱり、明鈴の事が好きだ。