【イナズマイレブン】私はずっと疾風のような彼が好きだった。【風丸一郎太】 (ページ18)

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【風鈴side】

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僕は財閥の跡取りだったから、生まれた時から日本にいた。

姉さんは僕達とずっと歳が離れていたから、僕達が生まれた時には既に自立して世界を旅していたけどね。

だけど、明鈴は僕と違って生まれつき体が弱かったから、6歳になるまではフランスの別荘に住んでいたんだ。

僕達は生まれてすぐに引き離されたけど、全然会えないわけではなかった。

母さんが明鈴に会いたがるから、明鈴が日本に来ることも屡々あったんだ。

僕はその頃から円堂達のお陰でサッカーが好きだったから、明鈴が日本に来る日は必ずサッカーを一緒にしていた。

そのお陰か、明鈴も日に日に体が丈夫になっていっていた。

その時に編み出したのが、"スフレリーゼ"。

…それを習得した時期と、母さんの死期が同時期だったのが一つ。

その技を始めて褒めてくれたのが母さんであったのも一つ。

どの理由が一番大きいかは分からない。

だけど、一致する理由はただ一つ。

…スフレリーゼは、母さんとの思い出が大きい技だったから。

母さんが死んでしまってから、明鈴の容体はどんどん悪化してしまった。

少し体を動かしただけで倒れたり、すぐに体調を崩すようになってしまった。

最も、その後すぐに円堂や風丸に出会えたのは運の尽きだったのかもしれない。

二人のお陰で、明鈴の容体は少しずつ良くなっていったんだよ。

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全「「「……」」」

円「明鈴…」

半「なんか俺達、悪いことしちゃったかもな…」

風「…風鈴」

微「なに？…あ、僕なら平気だよ！明鈴の苦しみに比べればこれくらい大したことないさ」

風「…本当、お前っていい奴だよな」

微「えぇ～、そう？それはありがとう。ちっとも嬉しくないよ」

風「素直に喜べよ(笑)」

あはは…確かにそうかもｗ

でも、嬉しいようなよく分からないような…ちょっと複雑だな。

僕はいい奴でもいい兄でも何でもないからね。

風「…俺、明鈴を探してくるよ」

微「うん、任せるよ。今僕が行ったらビンタ食らっちゃうからねｗ」

風「いや、それはないだろ…;;;」

風丸はそう冷静に突っ込みながら、部室を後にしていった。

風丸…

明鈴のこと、頼んだよ。