7球目！！！！！！！ ページ8
「163キロ…」
しばらく、続いた静寂の後に丹波がただ一言、そう放った。
・
・
・
「構えたところにドンピシャダァァア！！！」
「なんだ、あいつ、制球力も高い！！！」
「3ミリズレた…」
ここ最近人に向かって投げてなかったからな…、少し鈍ったんだろう。
本当は、もう3ミリ高い位置がドンピシャなはずだった。
3ミリ…、一也に手を動かさせてしまった。
「3ミリぃ！？！？」
先輩方は、何やら驚いているようだが、何にそんなに驚いているのだろう。
「次！変化球を頼む」
監督に言われて、次は、カーブを投げる、と一也に告げた。
また、大きくフォームを取ると、放たれたボールはあり得ない方向に飛んでいく、そして、誰もがボールだと思ったその瞬間。
キット曲がって、一也のミットに収まった。
「ナイスピッチ！！」
「うん、今のはなかなか…」
自分でも、満足のいく品だった。
「丹波…、何キロだ」
「155キロです…」
「マジかよ…！しかも、あいつ、サウスポーだろ！？」
「バケモンだ」
サウスポーが遅いなんて、錯覚だ、と僕は思う。
なにせ、育て手が少ない物だから、潰されるサウスポーも少なくない。
だから、速いサウスポーが少ないんだ。
「次、ツーシーム…！」
・
・
・
「今ので、何種類目だ？」
「21種類目です」
「基本12種に加えて、オリジナル…、白織！もういい。お前は、明日から、一軍の練習に加われ！御幸もだ！」
やったぁぁあぁあ！監督に認めてもらえたぁ！
しかも、一也も一緒に！！
「やったねー！！一也！」
「おう！明日から頑張ろうぜ」
「勿論だとも！！」
こうして、僕らはルンルンしながら、朝食を取りに向かった。
米、3杯以上のルールを聞いて、寮なのにそんなに食べていいの！？と驚いてしまった
家では、1日8合の米を食べてたし、お米食べれないと、太らないからなぁ
一也は、吐きそうな顔をしていて、頑張れー、なんて揶揄いながら、ご飯を口に運ぶ。
これでもう、10杯目だ。
そんなことを思っていると、後ろから寮母さんがでできて
「みんなの分が無くなっちまうから…」
と、僕を静かに止めた。
その後、風呂場に行くと、みんながなぜかこちらを向いた。
「え、筋肉バキバキ…」
「肌白いー！！！」
「あ、え、みんな、なに！？」
それから、1時間ほど、風呂場で先輩にも拘束される羽目になった…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 18人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：陽夜 | 作成日時：2022年8月30日 12時
