右隣の木村くん (ページ30)

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"まだ一緒にいたい"

・

目の前の彼に、
素直な気持ちを打ち明けた。

柾哉｢･･･ねえ｣

A ｢ん？｣

・

柾哉｢俺も｣

そう言って、
彼の唇がそっと触れた。

A ｢え、｣

柾哉｢･･･俺も一緒にいたい｣

A ｢･･･うん｣

柾哉｢･･･ファミレスとか、行く？｣

A ｢うん、いいね｣

柾哉｢ちょっと課題でも一緒にしよう｣

A ｢うん、教えてね｣

柾哉｢俺の方がバカじゃん〜｣

A ｢そんなことないよ｣

また2人で、
さっきよりも強く手を繋いで、
近くのファミレスまで歩く。

ちょっとでも彼と一緒にいたくて、
少しだけ小さな歩幅で。

彼はそれを知ってか知らずか、
私に合わせてくれる。

でも時々彼が少し前を歩くから、
私もちょっとだけ早歩きになる。

きっと柾哉くん以外だったら、
こんなの疲れるんだろうなって思う。

柾哉くんだから。

柾哉くんだから、
一緒にいたいと思う。

・

柾哉｢A｣

A ｢ん？｣

柾哉｢･･･笑｣

彼が急に笑った。