右隣の木村くん (ページ2)

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高校1年生の春

ずっと憧れていた
高校に合格して、
憧れの制服に身を包んで、
新しい生活をスタートした。

小さい時からずっと
一緒だった幼なじみと
同じ高校に通えること、
同じ教室にいることが
本当に嬉しかった。

だけど、その幼なじみは、
2学期の途中で、
引越しによる転校が決まった。

県外に行くらしい。
離れ離れになることが
考えられないくらい、
私はその幼なじみとずっと一緒だった。

幼なじみが転校してから、
私は何の変哲もない日々を過ごした。

それは
学年が変わっても同じ。

・

高校2年の春。

去年と同じクラスの人は、
ほとんど隣のクラス。

また友達を作るのか、
そう思うと
少し学校に来るのが
億劫になりそうだった。

友達、といっても
片手で数えられる程度。
親友は、
やっぱり幼なじみだけだった。

そんなことを考えていた
日本史の授業中。

右から視線を感じた。

A ｢･･･ん？｣

柾哉｢あ、いや｣

A ｢ふふ、｣

柾哉｢え？｣

A ｢なんでもない笑｣

何だこの人。
目が合うだけで、
すごくニコニコして、

ちょっと、
ちょっとだけ、

その笑顔に
惹き込まれそうだった。