さよならの香り (ページ15)

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夢ページ15

夢を見た

懐かしい夢

「ジフナ！こっち！」

「はしゃぎすぎだろ。」

「わっ」

転びそうになった私の手首をすかさず掴んでくれるジフナ

「えへへありがとう」

気を付けろよって小言を言いながら
また転ぶからって手を繋いでくれた

付き合ってすぐテーマパークに遊びに行った時だ

並び時間が長すぎるってジフナが途中から不機嫌になったっけ

私が行きたいって駄々をこねて渋々付き合ってくれたなぁ

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「さっきから何でそんなに機嫌悪いわけ」

「うるさい！！！ジフナには分からないよ！！」

「はぁー、勝手にしろ」

就活がうまく行かなくてすごく情緒不安定だった時
私が初めてジフナに怒った
怒ったって言うよりも今思えば八つ当たりだったけど

はじめて1週間も口を聞かなくて
もうこれで終わりなのかもと悲観的になり泣きじゃくっているとジフナが家にきて
事情をわかってやれなくてごめんと優しく抱きしめてくれた

これは後から聞いた話だけど周りの友達に私のことを聞いて回ってくれていたみたいだった

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「はい。はい。え？！？本当ですか？！ありがとうございます！」

「…もしかして決まった？」

「うん！卒業したら一緒住むー？なんて…へへ」

「いいよ」

「えっ…？？？」

「何だよ。自分で言っておいて嫌なのか？」

就職した嬉しさのあまり勢いで同棲したいなんて口走った時、正直そんな二つ返事だとは思ってなかった

なにも調べず買ったダブルベッドは2人だとギリギリで狭いと文句を垂れながら私を抱き寄せ眠ってくれる日々

それからもくだらないとか言いながらイベントごと毎回一緒に過ごしてくれたり

あっという間に2年の月日が経っていた

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朝とはミスマッチなテンションの高いアラームに心地の良い夢を邪魔される
手探りでケータイを探してアラームを止め、目を擦る

どこか寂しそうなダブルベッドを横目にジフナが会社に行ったことを確認して、支度をしようと重い腰を上げた

「あれ…私あの後どうしたっけ」

鏡の前に立って自分の姿を確認する
いつの間に着替えたのか分からないパジャマとご丁寧に化粧まで落とされてパンパンに腫れた目が露わになっていた

昨日散々泣いたところで記憶がプツリと途切れている

まだ機能しない頭の中でぼーっと考えながら
だらだら準備をしているとテレビの中の綺麗なアナウンサーのお姉さんが7時50分ですと告げた

「やば！出なきゃ」

考えることを放棄してバタバタと家を出る