カーディナルの愛 / 夜の番人 ページ9
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※衣装「日を蝕む者」
まるで悲鳴を上げるように大きく口を開けた傷から、あたたかい液体があふれ出てくる。
鮮やかな赤い色は真っ白なドレスを染め上げ、羽のように軽やかだったレースの裾を濡らしてずしりと重たくしてしまう。この美しい衣装を着た時は、高揚感で本当に空を飛べてしまえそうだった身体も、今は這いずることさえままならない。倒れ伏したレッドカーペットの上。血に塗れたドレスが、その真紅と同じ色になるのを、私はただ眺めていることしか出来なかった。
ああ、せっかく荘園主から貰った綺麗な衣装なのに。やっぱり、試合には着てこないほうがよかったかな。でも、みんな似合ってるって言ってくれたし。私もすごく気に入ったから。髪型も変えて、お化粧もしてもらって。いつか誰かと結婚するなら、本当にこんなふうなのかなって思った。
「やっと捕まえた。その服、動きづらかったでしょ？よく頑張ったね」
倒れ込んだ私の上に、黒い影が落ちる。目を上げると、武器を手にした"彼"が私を見下ろしていた。教会内にある主祭壇の巨大な十字架を背にして、暗いガーネット色のマントが揺れる。重苦しい静寂の中で、彼がまとう風は、得体の知れぬ怪物の喉から出るかのような不吉な音を立てている。
「必死に逃げてる君も可愛かったけど……せっかくお洒落してるんだから、もっとよく見せて？」
細い腕が、私の身体を抱きかかえる。抵抗出来ない私を覗き込んで、彼は口元に小さく笑みを浮かべた。
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KV(プロフ) - ゆずとぽん酢さん» 初めまして、コメントありがとうございます。イタカくんのお話はどれも好きな感じに書けたものばかりなので、そう仰っていただけてとっても嬉しいです…！不定期ですがこれからもちまちま更新していきますので、お付き合いいただければ幸いです。 (4月26日 21時) (
レス) id: 77374e0db2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずとぽん酢 - ま〜、、、本っ当に最高な短編集だことッ！作者様この度は素敵な作品を書いてくださりありがとうございます!!私は特にイタカくんの話が好きです!!! (3月28日 0時) (レス) @page16 id: 55c4e71bc7 (このIDを非表示/違反報告)
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