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「えー……分からないよ。ルカの趣味って、私のとは全然違う、し、」
語尾が不自然に途切れてしまったのは、不意にルカの顔が近づいたからだった。熱っぽい期待を帯びた視線に、心臓がどきりとする。思わず目を逸らそうとすると、頬に手を添えられて、それを阻まれる。
「分からない？本当か？」
からかうような声が、耳元で揺れる。ぎこちなく頷くと、彼はおかしそうに笑って「なら、私から貰いにいくしかないな」と言った。作業用の手袋を外した手のひらが、肌をなでて。触れるだけのキスは、砂糖をたっぷり使ったケーキの味がした。
「……これでいいの？もっと……」
「ああ……これ以上は、また後で。夕食の時間に間に合わなくなったら困るだろ？」
悪戯っぽい囁き。頬に宿った熱を、細い指先がかき混ぜる。呼吸を奪われるような、苦しいくらいの甘い密度に、頭の中がくらりとする。そのまま倒れ込むようにルカのほうに身体を預ければ、ぎゅっと抱き締められた。私も彼の背中に手を回して、重なる心音を感じる。
「ルカ、誕生日おめでとう」
まだ言えていなかった、祝福の言葉。それをそっと口にすれば、ルカは「……ありがとう」と笑った。見上げた先の、彼の表情は、いつになく嬉しそうで。胸にやわらかな陽だまりが滲む。どうか、彼の迎える未来が幸せなものであるよう。瞼を落として、今日という日に願ってみた。
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KV(プロフ) - ゆずとぽん酢さん» 初めまして、コメントありがとうございます。イタカくんのお話はどれも好きな感じに書けたものばかりなので、そう仰っていただけてとっても嬉しいです…！不定期ですがこれからもちまちま更新していきますので、お付き合いいただければ幸いです。 (4月26日 21時) (
レス) id: 77374e0db2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずとぽん酢 - ま〜、、、本っ当に最高な短編集だことッ！作者様この度は素敵な作品を書いてくださりありがとうございます!!私は特にイタカくんの話が好きです!!! (3月28日 0時) (レス) @page16 id: 55c4e71bc7 (このIDを非表示/違反報告)
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