File1 ページ8
"鏡が女神"
放課後、探偵団の教室は今日も平和、
檜「おい、クソ女。それ取って。」
三「誰がクソ女よ、歩けクソ男。」
ではなかった。。
ロングテーブルの誕生席に座り、書類を片付けているのが、会長の檜山光成。
本棚の資料を漁り、檜山光成にクソ女と呼ばれたのが、風紀委員長の三月A。
青「二人とも、表向きだと仲良いんだけどなぁ…」
青木のその一言に、内村と平塚も同意と頷く。
深「ねぇ。なんであの二人はあんなに仲悪いの？」
高等部からの関わりになる深田は、まだ2人について何も知らなかった。
内「"本当の"仲が良かった頃なんて無かったな。てか、今更理由なんか聞きたくない。」
平「俺が出会った頃はもうあんな。うっちーの誕生会で大喧嘩した時はお父さんにめちゃめちゃ怒られてたもん。」
内「嫌な思い出だ。」
青「うんうん。でも、中等部の頃なんか今より酷くて、お互いすれ違う度に嫌な顔するか舌打ちだよ？」
平「あれは酷かった…」
内「若気の至りならぬ、思春期の至り。」
深「なんか、ごめん。聞いた俺が悪かった…」
檜三「「おい」」
平「ゲッ…」
檜「お前らもベラベラ喋ってねぇで働け。」
三「チーム風紀、口じゃなくて手を動かしなさい。」
「「…はーい」」
生徒会と風紀委員には各委員会部屋が用意されている。
だがしかし彼らは、「気を張って仕事をするなんて御免だ」という本心のために、生徒会と風紀委員会の他のメンバーに、「探偵団との時間を増やしたいから」という表向きの理由をつけて、隙あらばこの探偵団に用意された部屋で仕事をしているのだ。
そして、6人が黙々と仕事をこなしていると、どこからか声が聞こえた。
「Hello, everyone. 調子はどうだい？」
深「えっ、だ、誰、？」
檜「声で分かるだろ。」
三「このキザな雰囲気で考えられるのはあの人だけね。」
内「あぁ。」
青「あ、もしかして！」
平「え、待って、なんか花びら降ってきたよ」
ロングテーブルにひらひらと花びらが舞い落ちる。
檜「そろそろ出てきてもらえますか？」
三「中島先生、ですよね？」
2人がそう言うと、部屋の明かりがオレンジ色に変わった。
中「ふふっ。ご名答だよ、Mr.檜山、Ms.三月。」
そして、花びらが降り終わったと思えば奥のインテリアライトの影から、黒いスーツに身を包んだ中島先生こと中島健人が出てきた。
*
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作者名：青 | 作成日時：2020年3月31日 18時
