八十三話 ページ35
『っごめん、そんなつもりじゃ……』
咄嗟に口から出た謝罪の言葉
彼に知られたくない、隠したいと思ったのはきっと、彼の中で僕が"ヒーロー"じゃなくなるのが怖かったんだと思う。
「じゃあ、何があったか教えてくれるよな……？」
そう両手を握られ、じっと目を見つめられる
蒼い瞳が僕を見ている。
僕はその目に弱いんだよ
『敵連合の死柄木に会ったんだ』
ぴくりと重ねられた手が動く
それでも一度話し始めた口は止まらない
『僕はヒーローじゃなくてヴィランなんだって言われた。
本当は他人のことなんて考えちゃいないって
それで僕、なんでヒーローやってるのか分かんなくなっちゃってさ』
他人の言葉に振り回される自分の弱さに自嘲の笑いが出る
『なあ、なあ燈矢くん、僕は、僕はヒーローなの？
僕は君の、ヒーローなのか、？』
また頭がぐちゃぐちゃになって、燈矢くんに縋り付くように言葉をこぼした。
黙ったままの燈矢くんは、不意に、心底嬉しそうに、笑った。
「なんだA、そんなこと気にしてたのか？
お前は俺のヒーローだよ、俺がお前のヒーローであるようにな。
お前は俺がこんな姿になって、醜いヴィランに落ちても"僕のヒーロー"って呼んでくれるだろ？
同じだよA、お前は俺のヒーローだ。例え地獄に落ちてもな」
それに、と燈矢くんは続ける
「俺はお前のヒーローでヴィラン、お前も俺のヒーローでヴィラン、お揃いだぜA、喜べよ」
そう言ってにこにこと笑う顔は僕の記憶の中の燈矢くんと何も変わらない
そうだよね、僕はただ燈矢くんと一緒にいたいだけ
それが邪魔される世界なら、そんなのいらない
『……うん！僕たち2人ともヒーローでヴィランだね、嬉しい！』
なんだか嬉しくなって笑いが込み上げてきた
燈矢くんの腕が背中に回り、ぎゅうと抱きしめられる
僕も燈矢くんの背中に腕を回し、強く抱きしめ返す
例え行き着く先が地獄でも、どこへ行っても一緒だよ
燈矢くん
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りょうまる。 - てぇてぇご馳走さまです(⊂^ω^⊃) (7月13日 18時) (
レス) @page28 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
よまゐ(プロフ) - 奏さん» 奏様、コメントありがとうございます！更新滞っておりましたが少しずつ進めて行けたらなと思います！ゆっくりとお待ちください (2023年3月21日 21時) (レス) id: 3b23ca5f36 (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - イイところまで行って終わっちゃう…焦らしてるぅ…夢主くんと燈矢のイチャイチャ加減がめっちゃいい！私の精神安定剤！更新待ってます！頑張ってくださいo(｀・д・´)o (2023年3月16日 22時) (レス) id: 89231dfe0c (このIDを非表示/違反報告)
よまゐ(プロフ) - 古覚さん» 古覚様、コメントありがとうございます！ご期待に添えるように頑張らなくては……！ありがとうございます (2023年1月30日 22時) (レス) id: 3b23ca5f36 (このIDを非表示/違反報告)
古覚(プロフ) - とても面白いです！最高です！めっちゃ更新楽しみに毎日生きてる感じです笑 頑張ってください！！ (2023年1月30日 21時) (レス) @page23 id: fea0c2ad87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よまゐ | 作成日時：2023年1月24日 19時
