検索窓
今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:37,136 hit

和睦の道 ページ3

「……ふう、今日も疲れました……」

私の名前は江雪左文字と申します……
一番仲の良い薬研からは
「雪江」と呼ばれています

先ほど、最後の畑当番を終え薬研と共に
上に上がってきました

気がついたらもう夕方でして、
皆さんは夕食を食べてしまったようです

ああ、確か今日の夕食の献立は
主直々に調理した物だったはず……

ふっくらと炊き上がった白米
少し塩辛いのがいい沢庵
宗三が引っこ抜いてきたネギの味噌汁
…おかずはなんでしたっけ

「雪江、よだれ。よだれ垂れてんぞ。
俺もその気持ちは分かるけどよ」

薬研はじゅるりとすする

「二人とも、先にお風呂入って下さい。
新しく沸かしましたから」

主の声がかかったので湯浴みに
向かいます



「大将はアレだな」

「アレ……とは」

「現世に戻ったら良い嫁さんになるなあ。
あー悔しいな、俺が現世の男だったら
ぷろぽーずするんだがな」

「…確かに、気配りもできますし……
さぞや好かれるでしょう」





そんな会話をしながら
湯浴みを終え、
居間に入ります



どうやら主も湯浴み直後のようで
艶のある黒髪が濡れて
赤くなった頰がこれまた……

……眼福です、すみません鶯丸殿
煩悩ありまくり?知っていますよ……


「お疲れ様です。
本当は本日のおかずは
西京焼きだったのですが、二人とも
大変頑張ったので……」



主が出したのは



「……主、これは」
「大将っ、いいのか!」

「好きでしょう?」


私たちの好物の


「かぼちゃの煮付け」


「さんきゅな大将!よっしゃ食うぞ雪江」
「はい……!」

手を合わせてから、
かぼちゃの煮付けを掴み取りました

一口食べると、かぼちゃの甘みが
口の中に広がります

幸せです……和睦の道はここに……


薬研を見ると、ガツガツと食べていました

見た目相応で可愛らしい……


主は嬉しそうにでざーとの
ぷりんを食べています

あとで頼んでみましょう……









最後の一口となり、
主は机に突っ伏して眠っています

愛らしいです


さて、じゃんけんをして最後の一口を
私が食べることになりました


橋を伸ばすと


「もらい」←幽霊
「雪江のかぼちゃ!」
「……ッ!」


虚しい気持ちが覆います

このっ、この

主お手製のかぼちゃの煮付けが
どんなに貴重かお分かりですかっ……


「返しなさい、かぼちゃの煮付け‼」

「声デケェな雪江⁉」








幽霊に和睦する必要はありませんでした

平手打ち→←初めまして、私は天海



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (76 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
142人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

弥生(プロフ) - 後日談読みたいです^ - ^ (2016年1月16日 19時) (レス) id: a79381b2dd (このIDを非表示/違反報告)
名無し - あっ姐さんがオールバック………。また色々凄い人が出てきましたね。 (2016年1月16日 10時) (レス) id: ec2c7f7e56 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 後日談読みたいです!!是非書いて下さい! (2016年1月16日 10時) (レス) id: ec2c7f7e56 (このIDを非表示/違反報告)
異常気象 - 名無しさん» ありがとうございます!腹筋いたわってください (2016年1月9日 12時) (レス) id: 279e530bdd (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 笑い過ぎて腹筋が痛いです! (2016年1月4日 21時) (レス) id: ec2c7f7e56 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:異常気象 | 作成日時:2015年12月19日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。