東方物語【第1章】幻想郷を護る為には (ページ10)

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-A視点-

なぜ、紫が俺を探していたかと言うと、幻想郷に災厄が起こると予言されたからだと言う。今は、紫を探しに空から幻想郷を見渡す事になった。
そして、早々に問題発生。先程まで森の中にいた為、今日は天気が悪い。で済んでいたのだが。あれは、雨雲ではなく、火事による煙だった。

「嘘っ！何があったの！？」

「何で燃えてんだよ？！」

「早く火を消さねぇと、幻想郷が荒れ地になっちまう…！」

燃えているのは、人里の様だ。

逃げ遅れた人がいなければいいが…

水魔法で人里の周りを囲い、これ以上広がらないようにする。

「おい！あそこにいるの紫じゃないか？！」

魔理沙が指を指す方を見ると、紫と、その奥に黒い影が見えた。腕を上げたであろう黒い影。きらりと不気味に光る細い棒が、紫に振り落とされる。

『ｶﾞｷﾝｯ』

能力を使って、紫のすぐ横から腕を出し棒を受け止める。傍から見れば、腕だけ無いのと、腕だけある状態に別れている。
それと、この音と硬さからして、棒は剣だ。つまり、紫を切ろうとしたわけだ。そのまま、空間をいじり紫の所まで移動する。

「…！A、来てくれたのね…」

「ちっ、邪魔が入ったか…」

「逃げやがった…！」

紫を見ると、既に血まみれだった。事情も聞けずに、気を失ってしまう程の重症。これはマズイ。紫は不死では無かったはず。

「ちょ、紫！？どうしてこんなに怪我してるのよ！」

「おい！？何があったんだよ？！」

「説明より、治療が先だ…！うちの医者のもとに連れて行く。お前達も着いてこい。何が起こるか分からないからな。」

空間を操り、異世界の門を開く。着いた所はアステラ。万事屋の本部がある無人島。ここには、魔術、学問、医療に長けた優秀な医者、シヴァがいる。アイツなら、紫を助けられるだろう。急いで扉を作り、アステラの城の中に入る。

「シヴァ！シヴァはいるか！」

「どうしたの？A…、？！シヴァなら医療室にいるわ！」

「ありがとうっ、瑠樺！」

医療室は2階にあるが、能力でカットしてシヴァのところに急ぐ。入ってすぐ、医療器具の手入れをしていたシヴァは、紫を見てすぐ、治療の準備を始めた。流石医者だ。