東方物語【第1章】幻想郷を護る為には (ページ4)

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-魔理沙視点-

嘘だろ？どうして私が処刑されなきゃいけないんだ？
そんなのお断りだぜ！

「そこのお前、前へ出ろ。見ない顔だな…隊長、この女はリストにありません。」

霊夢のやつどこに行きやがった…

なんて考えていると、私と同じく、リストにないの女がいると言う。声の方を見れば、霊夢だった。はぐれてはなかったみたいだ。でも、両手が縛られているうえ、人探しをするのに、こいつら、帝国に反撃をするのは、不味いだろうな。ヘルゲンと言う町の広場で、公開処刑となっている今、敵が多い。多勢に無勢にも程があるだろう。目撃情報を、敵軍に知られる訳にも行かない。

「…八代神の＿

「タロスの愛の為に、黙って終わらせろ！」

「お望みのままに…！」

何であいつ死に急ぐんだ…？

覆面を被った男が、大きい斧を振り降ろす。幻想郷に居た時には、1度も見た事がなかった。斬首刑。ザンッ…と言う音だけが耳に残る。

こんなにも、あっさり人は死ぬのか…

「次は、そこの赤い服を着た女！」

この場で、赤い服を着た女は霊夢しか居ない。

ここで死ぬのか…？紫は何をしてるんだ？
霊夢が死んじゃうぞ？

恐怖と絶望で声も出ない。立ってるのがやっとな私に聞こえたのは、

『＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿』

言葉にはならない、雷鳴のような音だった。遠くで重く、響き渡る音。どうしても、他人事には思えなかった。

「次の囚人と言ったはずよ！」

怯えもせずに、1歩1歩しっかり進む霊夢。

霊夢が首切られる。

そう思った頃に、再び雷鳴のような音が響く。それもかなり近い。

「なんだアレは…！」

「雲の中だ！」

「ドラゴンよ！」

顔を上げた頃には、霊夢の近くの棟に着地し、2度咆哮を放っていた。2度目の咆哮は、隕石を降らす程の力がある。ただの黒いドラゴンじゃない。

「おい、そこのお前！生きたかったら着いてこい！ここを脱出するぞ！」

「行きましょう。魔理沙！」

金髪のオッサンは良いとして、霊夢が無事だった。
後は逃げるだけ…

「分かったんだぜ、霊夢…！」