隠し事 ykの続きみたいなやつ ページ22
幼馴染は幼馴染同士で結ばれる。
そんな夢を見過ぎてた。僕はずっとAが好きだった。
実際勇気を出してアピールしてももどかしい程に彼女は気付かない。気づいてくれなかった。
「ねぇ…焼きパン。焼きパンにしか言えないことがあるんだけど、協力してほしくて」
「え、いいけど」
それを言われたのは半年前くらい。
突然すぎて持ってるお箸を落とすところだった。
ちょっと。いや、結構緊張した。
僕にしか言えないこと。ってどんなことだろう。友達の多いAが僕にしか言えないこと…?って。
「あ、あのね驚かないでほしいんだけど、……好きな人出来たんだ」
「?…え?」
"好きな人出来たんだ"
言葉の意味を理解するために息を吸った。
理解できずに息を吐いた。
それを繰り返した。
「あ、驚いたでしょ。自分だって好きな人くらいできるんだよ。でも高校入ってやっと、人生初めて出来たよ!…焼きパン?もしかしてめっちゃ驚いてる?お〜い生きてる?」
「好きな人、出来たんだ。あ、…よかったね、」
頭の中で反芻した言葉が口から漏れた。しまったと思いながらもAの方をみたが、
「もうめっちゃ驚いてるじゃんか」
あんまり気にしていなかった。
だが安堵できなかった
恋焦がれた目をしながら優しくはにかんでいたそれは僕に向けられているわけではない。絶対に、だ。
「あ、それでね。協力して欲しいって話、なんだけど___」
ぼーっとしてしまうというか、なんか力が入らない感じ。
Aの声すら届かないというか、届いてるけど。
未だに好きな人できたんだ、っていう言葉とあの声が頭から離れなかった。
まともに協力せずに半年が経っている。
協力するとか言いながら僕、全然してないじゃん。
最低だなって思いながらも協力したくない諦めの悪い僕が邪魔をしてる。
[ねぇ焼きパン、バレンタインのことなんだけどさ]
ラインが来た
[男子って何貰ったら嬉しい?]
[え?それ聞くの遅くない?今、夜だよ明日だよ?]
僕が言えないことなんだけどAは少し抜けてるなってすごい思う。
この質問を聞いてくる限り僕なんか眼中に無い。本命と言うか目当ては僕なんかじゃない。
きっと当時、どうぞって言いながら義理チョコ渡してくれるんだろうな。
[貰ったらなんでも嬉しいよ]
そう返信してスマホを放り投げた。なんか嫌な気持ちになってきた。
明日なんて来るな。
(焼きパン反芻なんて知らないから解釈違い)
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宗介(プロフ) - すいみん。さん» 自分で書いてて解釈不一致だったり遠回しな物言いだったりしていますがそう言っていただけて感謝でしか無いです。時間は空くし彼らへの記憶もどんどん抜けてっていますが更新し続けますのでお気楽に見てってくだされば嬉しいです (3月3日 17時) (レス) id: 9374b91c4e (このIDを非表示/違反報告)
すいみん。(プロフ) - 𝐼 𝑙𝑜𝑣𝑒 𝑦𝑜𝑢…大好きすぎます…小説の雰囲気がどストライクです…。無理なさらず更新頑張ってください🙇♀️💕 (3月3日 1時) (レス) @page22 id: f12e90341c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宗介 | 作成日時:2022年10月15日 18時