ソウルメイト (ページ33)

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kj side

kj「わ、ダテもしょったも、こんなとこに居たん」

ギィ、と音を立てて扉が開く。
そこに居たのはダテとしょっぴーで、なんとも言えない雰囲気に一瞬扉を閉めそうになったけどしょっぴーが俺が現れたのにどこか安心した表情を浮かべていたので引き留まった。

dt「…どうしたの？」
kj「いや、ちょっと銃の撃ち方練習しよかな思て」
nb「へえ、見ててやろうか」
kj「ほんまに！？めっちゃ嬉しいわ！」

ガンラックから訓練用の銃を取り出す。
弾薬を込めると、的に向かって構える。

バン、と大きな音が鳴り、銃弾は中心から数ミリズレた所に当たった。

nb「おー、惜しい」
kj「……上手くいかへんなぁ」
dt「上出来でしょ。本格的に始めたのつい最近だし」
kj「んん……これなら昔施設にいた時の方が良かったかもしれん…」
nb「そこまで完璧にする必要なくない？十分な命中率だと思うけどな」
kj「…でも、」

新しい相棒になるだろう銃を撫でるけれど、こいつはまだ言うことを聞いてくれそうにない。

kj「俺は、もう能力使えへんから……やけど、ちょっとでも皆の役に立ちたいから。出来ること、増やしたいんよ」

dt「康二…。」

ま、練習あるのみなんよな。
そう思ってもう一度銃を構えた時だった。

nb「てかさ、ほんとにもう全く能力使えない訳？」
kj「へ？」
nb「試して見たの？もしかしたらまだちょっとくらい使えるんじゃない」
kj「るーたくんが死んでからすぐ、何回か使おうとしたんやけど出来なくって…」
nb「ちょっと、試しにやってみてよ。」

渡されたのは、小さめの手榴弾。これなら爆発も少しなので火災の心配もない。

kj「じゃ、じゃあ……。

”起爆”」

ドカァァン！！！！

爆発音。
そして、視界を奪う煙。

しかし何より俺は、勝手に爆発した事実に驚いていた。

kj「ほんま、に……？、」
dt「これ、康二の能力で爆発したってこと？」
nb「だろ。おい、良かったじゃん、使えて」
kj「う、嘘やろ」

右手をグーパーと握ったり開いたりしてみる。確かに、能力を使った時と同じ感じ。懐かしい感覚がした。

nb「……ちょっとこれ使ってみて」

そう言って渡辺は他の銃を渡した。

kj「ええけど…」

なるべく、威力が上がるように。
それだけに集中する。

一瞬、目の色が変わったような、気がした。

バン、

的の中心から煙が上がっている。

渡辺はニヤリと笑った。

nb「なあ、康二、いいこと教えてやるよ。

その銃、弾入ってないんだよね」