ソウルメイト (ページ28)

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それは、俺が16になる歳の実践演習だった。

普段なら俺が先陣を切って危険がないか確認する。

いつものようにすたすたと先頭を歩いていた。その時、後ろで大きな爆発音が響いた。

そこは地雷地帯だったのだ。

俺の相棒であった”あいつ”は、呆気なく死んだ。
あと1度、演習を成功させれば俺たちは研究所から出られるはずだったのに。
対人地雷が埋まっているなんて聞かされていなかった。

生まれて以来の仲間の死に、俺はついに我慢の限界だった。
自分の能力は”再生”であるので、何度も痛い思いをした。即死レベルの重傷を負っても、すぐに身体は回復し突き進まなくてはならない。気が狂うほどの痛みが、ジワジワと消えていく、あの感覚が嫌いだった。

ソウルメイトの死による交代は年に数人ある。しかし、もうすぐで契約を結ばなくてはならない年になって新しい候補が見つかるはずもなかった。
このまま適齢期を越えればどうなってしまうのだろう？

そこで俺は行動に出た。

”あいつ”を戦場へ送り込んだ奴を殺して、この地獄から脱走すると。

思いたってからは早かった。訓練場の銃を盗んで、深夜にそいつの部屋へ向かった。

研究員の部屋のドアの隙間から光が漏れている。
こんな時間に起きているのだろうか。
そっと中を覗いた。

研究員が、何かに覆いかぶさっている。

下にあるその存在を認識した時、カッと頭に血が上った。それと同時に、俺が守らなきゃ、と思った。

普段は働かない俺の頭の冷静な部分が、銃声だと周りに気付かれるのでは、と警告した。

そこで、俺は、近くにあったイスを持ち上げた。

「…な、に………」

頭から血を流して倒れている研究員の下で、少年が目を見開いている。

その目は俺を見ると、状況を理解したのか小刻みに震え出した。
違う、安心して。もう大丈夫だから、

研究員をベッドの下に落として、寒そうな少年に自分の上着をかけてあげた。

mm「…大丈夫？」
「………うん」
mm「良かった、変な事されてない？」
「変な事っていうか…それが仕事だし」

目を逸らした彼だが、俺は仕事と言われてもよくわからなかった。

「…ねえ、これどうするの？」
mm「あー…考えてなかった。どうせこいつ殺したら逃げようと思ってたし……あーごめん、君に迷惑かかるかも」
「ふーん」

じゃ、俺もう行くから、と部屋を出ようとした時、後ろから服を掴まれた。

「ね、僕も連れてって」

(舘様カラーありがとうございます！！)