ソウルメイト (ページ19)

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iw side

iw「なっんだよこれ！」

俺たちは身体全てが巻き付かれたコードに覆われている、人型の化け物に苦戦していた。

物理攻撃には自信があるとはいえさっきから効いている素振りは見せないし、康二も康二でソウルメイトの力を必要とする能力を無闇矢鱈に出せるものでは無い。それに、小規模な爆破ではびくともしなかった。

kj「こいつっ……るーたくんを何処にやったん！？返答次第じゃ許さへんで」
iw「こいつ、人間か！？」
kj「わからへん！やけどなんらかの能力で動いてんのは確かや！」

ビュォッ、と風を切る音がして、まるで鞭のようにコードが俺目掛けて迫ってきた。

iw「ぐっ……」
kj「照くん！！」

なんとか急所は避けたが物凄い威力だ。
何か手立てはないものか…そんな時。

fk「ひかるっっ」

iw「ふっか！？」
fk「うわ、大丈夫？ごめんもう少しだから」
iw「もう少しって、何が」

rt「大丈夫か～、康二」

kj「る……た、くん……？」

そこに駆けつけたのは、康二の反応を見るに、探していた相手だった。
言葉を失った康二に、あとから阿部と佐久間が合流する。

kj「よ、よかった…無事やったん…」
rt「ごめんなぁ心配かけて。ちょっとやらなあかん仕事が出来てな」
kj「な、なんや、それ」

そこで阿部が軽く化け物の性質を説明する。
成程、このメンバーでは適いそうもない。しかし、俺たちは次にでてきた言葉に瞠目した。

rt「だから、俺が何とかする。皆さんは逃げてくれ」

kj「……え、待ってよ。まさか、るーたくん」

神妙な面持ちの3人、そしてパニックを起こしたような康二の態度。

それで、俺はこれから何が起ころうとしているのか理解してしまった。

kj「そんなのあかんよ、しなくてええやん、なぁ、るーたくん、逃げよ。俺らがやらなくてもええやろ？」
rt「康二、誰かがやってくれるんやない、自分でやらなあかんで。………岩本さん、康二連れて逃げや。」

気付けば自分の腕は康二のものを掴んでいた。

kj「嫌や！！離して！！なあ、るーたくんっ！」
rt「……康二」

俺の能力は”跳躍”。

rt「今まで、ありがとうな。新しい仲間見つけて楽しく過ごすんやで」

だから、何処まででも飛んでいける。

kj「いやっ、なあ……いやや…」

その爆風が、届かない所まで。