いっぱい頑張るきみがすき_ymmt × k-chan ページ1
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暗い部屋に、時計の音とキーボードの乾いた音が響く。
俺はパソコンの前で、大きなため息をついた。
「終わんねー,,,」
最近は年度末なのに加えて春の特番の収録でテレビに出る人も多く、1人1人の仕事量は普段の倍くらいに増えた。
それでも皆少し残業するだけで早々に帰ってしまう。ホントに終わってるんだろうかと疑いたくなるけど、多分終わってるんだろうな。
それに引き換え、俺は最近ほぼ泊まり込み。やってもやっても終わらない。
なかなか眠れなくて、集中力も落ちて、ミスも増えて、の悪循環。
そりゃ普段ぽんこつとかいわれるけどさ、俺だって要領悪いことないと思うんだけど,,,
でも人に任せるのも申し訳なくて、
「溜まってるなら半分貰うよ」
なんていわれても断ってしまう。だって、クイズノックでは年下な方だし、先輩に仕事任せられないじゃん。
,,,不器用だなぁ、俺。
こんな時山本さんがいてくれたらな、と思うが、山本さんもクイズ番組の出演が多くて、なかなか会えていない。まあこの大変な時期が過ぎたら、きっと遊びに行けるだろう。今の俺なんてちょっとみっともないし、会ったら会ったで恥ずかしい。
取り合えず、資料纏めて文章見直すところまではやらないと,,,
もう一度パソコンと向き合う。視界の角に、「2:49」という数字が見えた。
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作者名:颯楓 | 作成日時:2020年5月8日 21時