ねぇ、藍してるんです (ページ5)

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頼ってくれたなら＿1 ページ5

生徒会室でちょこちょこと動きながら作業を進める
このプリントは先ほどまで会長の机に置いてあったものなのだが、忙しいだろうという思いで自分がやっているのである
いつもいつも…朝早く来て仕事をする会長を心から尊敬しているのだ

本来書記の仕事を任せられても、渋々やるような彼女でも会長の手伝いとなれば別物だった
未だに書類を書いてる会長へ向けて

明るく元気に

忠誠心が高い犬のように

でも嫌われないように話しかける

「会長、資料と提出類まとめておきました！」

と一言声をかければ振り向いて感謝の意を述べてくれる
非常に言葉少なではあるのだが、会長が礼の言葉をかけてくれることが嬉しい
それと同時に込み上げてくる謎の感情が心地良く、永遠に支配されていたい…

しかし、頼ることの苦手な会長は自分を頼ってはくれずそのまま書類へと目を向けた
気分が落胆しているのを感じる

＿ボクよりその書類なの？

＿会長はボクを頼ってくれないの？

激しくその書類を憎むが、そんな感情は表に出ないように必死に偽る
そのまま先程と同様に話しかければ、書類を指差して口を開く会長を目に写した

「…では、この提出書類に不備がないか……」

「分かりました！」

先ほどからその書類に会長は手を出していない
それはつまり自分にやれ、ということなのだと承知していたために早い返事をしてしまう
言葉を遮ってしまったことに反省をしながら自分の机へとプリントを持っていく

部活の資料、といっても新入部員の件だった

この学校は例年文化部に人が集まるらしい
斯くいう自分も文化部所属なのだが、生徒会の仕事やら家の勉強やらでほとんど部活に顔を出さないのだ
同い年の顔も、名前も覚えていない
そもそも会長以外どうでも良い

…あれ、確かこの人……
僅かな記憶だが、腐っても生徒会副会長
学校の噂には敏感なはず…なのだ
青のレジスタンスという名前の生徒活動集団
総リーダーとやらをやっていた人の名前を見つける
特に予算を作って欲しい…と言われたわけでもないが、生徒が勝手に作った集団ということで心に留まっていた
レジスタンスの意味はいやでも分かる
きっとレジスタンス運動のことを示しているのだ

となると何かに反抗したい集団ということ
特に権力。つまるところは先生、上級生

＿…若しくはボクたち生徒会？

あり得る
となるとそれは自分たちの敵である可能性が出てくる
そのことを会長に伝えた方が良いだろう