彩りのイロハ【えんえんえんぶえん】【派生作品】

迷子-日常- ページ12

「わ、にゃんにゃんだ」


笑顔の彼女の目線には、一匹の野良猫がいた


動物が好きな彼女にとっては嬉しいことだ

愛でようとしたのか、近づくとぴょんっとブロック塀からおり、走り出す野良猫


「あ、待って……！」


時間など何も気にせず、野良猫を追って走り出したイロハ


こんなに自由奔放で将来が気になるが、今の彼女には全く関係がないだろう

笑顔で、それでも少し焦って走っていく


細い道を通って


公園を抜けて


右に見えた幼稚園をも通り過ぎていく




だが、猫の足に幼児がついていけるはずもなかった






「えっと……ここ…どこ…？」


そう、予想通り迷子になったのだ

一心不乱に走り続けてしまったので道なんて覚えていない


このままでは警察などに補導され、確実にお母さんに怒られるだろう


わたし、そんなの嫌だ……

だって怒ってるお母さん、とっても怖いんだもん！



怒っている母親を想像するだけで身震いするのだ

何としても回避したい、がこの状況ではほとんど無理であろう


……ただ一つだけ希望があるとするならばそれは、


彼女が迷子にはなれている、ということだ



「えーっと…多分向こうに行っとけば戻れるから……そこからはわたしが頑張ろう……｣



とりあえず今向いてる方向と反対に向き、走り出す

時折大人が心配するような目で彼女をみているのだがそれに気づく余地もない


走って適当に右に曲がって、

左に曲がって、

まっすぐいって、


なんとなくで幼稚園にたどり着いた


ここまでくると迷子の才能があるのだろうか


幼稚園まで着けばあとは彼女1人で帰れる


彼女の特徴としてはもう土地勘に優れている、としか言いようがないくらいの凄技だろう


…他にもあるのだけれど


だけど、さっきの猫を見つけてもう一度迷子になってしまい、結局お母さんに怒られたのは内緒

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迷子の才能のあるイロハちゃん

動物が好き×迷子 みたいなイメージで書きました

多分今までで1番長くかけたのはそれこそ秘密です……((

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