44話 ページ45
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葉山｢正確な診断が出来ない...それなのにこれはどういうことなんですか？どうして"異常なし"なんて結果が？｣
彼女はクリアファイルに入れられた診断書の"異常なし"と書かれた部分を指して五十嵐さんを睨む。
五十嵐｢...マンモ検査で病変が見つからなかった場合...我々は"異常なし"とお伝えすることしか出来ません...｣
それを聞いた葉山さんは目を見開く。
そんな彼女を見て、私は飛び出した。
A｢でも、本当は"マンモで見つけることが出来なかった"ということでしかないんです...
デンスブレストの方の場合、隠れたガンがある可能性を否定出来ないんです...！！｣
葉山｢...何なんですか、それ.....お医者さんが言ってくれなかったら私達知りようがないじゃないですか！！｣
彼女は俯き、目を閉じながら｢そんな大事なことどうして教えてくれないんですか｣と弱く吐き捨てた。
葉山｢...私は、母を乳ガンで亡くして...見つかった時にはもう手遅れで...もっと早くに検査を受けていれば良かったって...後悔して、後悔して.....
息を引き取った母を見て、私は毎年欠かさずマンモ検査を受けて来たんです。｣
そこまで言い切ると彼女は頬を濡らしながら続けた。
葉山｢マンモ検査をしていれば安心だって...ずっとそう信じてきました！！.....全部無駄だったっていうことですか...？｣
彼女の涙が顎から滴って落ちた刹那、私達も同じように声を震わせながら応えた。
A、五十嵐｢私も/僕も...悔しいです...｣
五十嵐｢...そうやって発見が遅れて、悲しい思いをする方々を...沢山見てきました...｣
A｢...ただ、少しずつですが日本でも変わりつつあるあるんです。それぞれの患者さんに適した診断やシステムの実現を目指す人達もいます...！｣
しかし、私は｢でも｣と話を逆説して顔を上げる。
A｢最後に自分の命を守れるのは、自分だけなんです...！！｣
そう伝えると、彼女の瞳が少しだけ揺れたような気がした。
五十嵐｢葉山さん、まずは超音波検査をやらせてください...！｣
｢お願いします｣と言って頭を下げる彼に私も続いて深く腰を折る。
そして、私は拳を握りしめた。
私は、1人でも多くの人を、救わなければならないんだ。
誤診をするだなんて、以ての外だ。
ーーー完璧でなければ、いけないんだ。
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奏奏奏(プロフ) - 愁さん» ご指摘ありがとうございます*_ _)訂正致しました！ (2019年6月28日 19時) (
レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
愁 - はじめまして(*^^*) いきなりすみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 設定のここの部分 すると講義で五十嵐が日本で技師として働くということを耳にし、アメリカで修行を詰んだ後に帰国。 これ正しくはアメリカで修行を積んだではないんでしょうか？ (2019年6月28日 18時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - SUBARUさん» ありがとうございます！これからお話を進めながら主人公の過去編なども交えていけたらいいなと思っています。五十嵐さんの天然な所を描くのが難しくて苦戦していたのでとても嬉しいです！ (2019年6月10日 20時) (レス) id: 3daaf042e6 (このIDを非表示/違反報告)
SUBARU - 主人公のご両親の亡くなり方がとても切ないですね‥‥。後、五十嵐さんの天然さがちょいちょい表れるところが、やっぱり大好きです！ (2019年6月10日 1時) (レス) id: 9ff0393da1 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - SUBARUさん» ありがとうございます！ゆっくり仲を深められたらなぁと思っています。今後ともよろしくお願いします´`* (2019年6月7日 20時) (レス) id: 3daaf042e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏奏奏 | 作成日時：2019年5月28日 20時
