37話 ページ38
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A｢...あの、五十嵐さん。｣
五十嵐｢なんですか？｣
五十嵐は名前を呼ばれ不思議そうな顔をすると、Aは目を逸らして視線を下へ落とす。
彼も同じようにAの視線を辿ると、そこにはAの手のひらを五十嵐が握っている光景が目に飛び込んだ。
五十嵐｢.....え！！あ、えと、そ その.....ごごごめんなさい！！｣
声を裏返しながら慌てて手を離す五十嵐。
そんな彼を見てAは吹き出した。
A｢...ふ、ふふ...五十嵐さんって面白いですね。｣
五十嵐｢へ...｣
コロコロと笑う彼女を見てポカンとした表情を浮かべる。
すると彼女は軽快に足を進め、振り返った。
五十嵐の目に映る彼女の姿がアメリカで見たあどけない少女のものと重なり、とても穏やかな気持ちが彼を包み込んで行く。
A｢行きましょう？｣
五十嵐｢...はい...！｣
五十嵐はAに連られるように頬を緩め、彼女の後を追った。
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A｢五十嵐さんありがとうございました！しかもカバーとタッチペンまで...｣
Aは白い紙袋を持ちながら家電屋の自動ドアを通り抜ける。
紙袋からは新型モデルのタブレットとカバー、そしてタッチペンが顔を覗かせていた。
五十嵐｢いえいえ！...今朝のデータ飛ばしちゃいましたしこれじゃ足りないくらいですよ...！｣
そう言って五十嵐は眉を上げて笑う。
五十嵐｢...大分暗くなってきましたし送りますね。...あ、持ちます。｣
五十嵐は空をくるりと見回してからAの持つ紙袋を手に取る。
A｢え！...さすがにそれは申し訳ないですよ...！｣
五十嵐｢...これくらい甘えてください。それに夜道は女性だけですと危ないですし...｣
そう告げると、Aは僅かに唸った後｢すみませんお願いします｣と頭を下げた。
そこからAの家までは医学についての話題や他愛のないことで会話が弾んだ。
技師として働くことがどんなことなのか、そして技師だからこそ出来ることなどを教えてもらった。
あれからどれくらい時間が経っただろうか、会話が途切れること無くAの家へと辿り着く2人。
A｢...あ、ここが私の家です。わざわざありがとうございました。｣
五十嵐｢ここなんですね...！意外と僕の家と近くて驚きました。｣
そう言うとAは｢そうだったんですか！｣と言って笑う。
そしてAは頭を下げてから微笑み、｢また明日｣と伝えた。
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奏奏奏(プロフ) - 愁さん» ご指摘ありがとうございます*_ _)訂正致しました！ (2019年6月28日 19時) (
レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
愁 - はじめまして(*^^*) いきなりすみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 設定のここの部分 すると講義で五十嵐が日本で技師として働くということを耳にし、アメリカで修行を詰んだ後に帰国。 これ正しくはアメリカで修行を積んだではないんでしょうか？ (2019年6月28日 18時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - SUBARUさん» ありがとうございます！これからお話を進めながら主人公の過去編なども交えていけたらいいなと思っています。五十嵐さんの天然な所を描くのが難しくて苦戦していたのでとても嬉しいです！ (2019年6月10日 20時) (レス) id: 3daaf042e6 (このIDを非表示/違反報告)
SUBARU - 主人公のご両親の亡くなり方がとても切ないですね‥‥。後、五十嵐さんの天然さがちょいちょい表れるところが、やっぱり大好きです！ (2019年6月10日 1時) (レス) id: 9ff0393da1 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - SUBARUさん» ありがとうございます！ゆっくり仲を深められたらなぁと思っています。今後ともよろしくお願いします´`* (2019年6月7日 20時) (レス) id: 3daaf042e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏奏奏 | 作成日時：2019年5月28日 20時
