33話 ページ34
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A｢...う、.....はあｯ.....は、ァ...｣
大分息が整ってきて壁に凭れかかるA。
すると五十嵐はほっとしたような表情を浮べて｢良かった...｣と呟き、そっとAの手を離して微笑んだ。
甘春｢...安藤先生、突然発作が起こったんですか？...もしそれなら一度検査をされた方が...｣
A｢...いえ.....！！精神的なものですので大丈夫です...！｣
慌てて両手を身体の前で振って苦笑いする。
甘春｢そうですか...もしまた何度も起こるようでしたら一度検査の方、お願いしますね。｣
Aは｢はい｣と応えてから聞きつけてやって来てくれた技師の面々にお礼を伝えて行く。
ひとりひとりから心配の言葉を受け取り、すみませんと内心呟きながら受け答えを終えるA。
甘春｢安藤先生、今日はもう休まれた方がいいのではないでしょうか？｣
するとAは首を横に振って笑みを見せる。
A｢いえ、もう大丈夫です。基本残りの時間は読影室で作業をするだけですし...｣
｢それにあと1時間程度ですから｣と笑って応える。
甘春｢そうですか...あまり無理しないでくださいね。｣
甘春は整った眉を少しだけ八の字にして口元を緩めた。
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五十嵐｢...本当にすみませんでした.....｣
甘春先生と技師の皆さんが戻った後、深々と頭を下げられる。
A｢えっ、あ、いや、五十嵐さんのせいじゃないですよ...！！｣
わたわたとして｢顔を上げてください｣と伝えるが五十嵐さんは謝り続ける。
A｢...それより、ありがとうございました。適切な処置をしてくださって...｣
五十嵐｢.....いえ...僕は処置と呼ばれるほどのことは...｣
頭を下げたまま呟かれ若干苦笑いしてしまう。
Aは1つ溜息をついてから五十嵐の肩を掴み無理やり上半身を持ち上げ、元の起立上体へ戻した。
A｢ホントに五十嵐さんのせいじゃありませんよ。...今日、タブレット弁償してくれるんですよね？｣
五十嵐｢え...？あ、はい！もちろんです！！｣
ブンブンと縦に頭を振って了承する五十嵐を見て、あはは、と声を出して笑うA。
しかし、すぐにその無邪気な笑顔を剥がして呟いた。
A｢.....その時に、お話しますね。...私のことを。｣
そう言ってAは五十嵐に背を向けて読影室へと足を進める。
彼女の華奢な背中には、一体何が背負われているのだろうか。
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奏奏奏(プロフ) - 愁さん» ご指摘ありがとうございます*_ _)訂正致しました！ (2019年6月28日 19時) (
レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
愁 - はじめまして(*^^*) いきなりすみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 設定のここの部分 すると講義で五十嵐が日本で技師として働くということを耳にし、アメリカで修行を詰んだ後に帰国。 これ正しくはアメリカで修行を積んだではないんでしょうか？ (2019年6月28日 18時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - SUBARUさん» ありがとうございます！これからお話を進めながら主人公の過去編なども交えていけたらいいなと思っています。五十嵐さんの天然な所を描くのが難しくて苦戦していたのでとても嬉しいです！ (2019年6月10日 20時) (レス) id: 3daaf042e6 (このIDを非表示/違反報告)
SUBARU - 主人公のご両親の亡くなり方がとても切ないですね‥‥。後、五十嵐さんの天然さがちょいちょい表れるところが、やっぱり大好きです！ (2019年6月10日 1時) (レス) id: 9ff0393da1 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - SUBARUさん» ありがとうございます！ゆっくり仲を深められたらなぁと思っています。今後ともよろしくお願いします´`* (2019年6月7日 20時) (レス) id: 3daaf042e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏奏奏 | 作成日時：2019年5月28日 20時
