24話 ページ25
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五十嵐｢技師長はここで昔レントゲンを現像されていたんですよね。｣
薄暗い暗室の中にある現像機を操作しながら呟く五十嵐。
小野寺｢...デジタル化が進んだからな、1枚現像するのに20分以上かかるからさ。新人の頃はよくここに1日中こもって現像だけさせられたこともあったよ。
.....俺ァ何十年と何の役にも立たない技術を身に付けてしまった。｣
そう言って彼は自嘲気味に鼻で笑った。
しかしAは首を横に振り、｢そんなことないです｣と応える。
すると丁度現像が終わり、ピーという音と共に現像されたレントゲン写真が印刷機から顔を現した。
Aはそれを手に取って口元を緩める。
A｢昔は今と違って写真が出来るまでに時間がかかって撮り直しが出来ず失敗が許されなかった...今よりずっと神経を尖らせて、一枚一枚写真を撮っていたハズです。
...その経験がここに現れています。これは技師長にしか撮れない左右の均一が見事に撮れた写真です。｣
そう告げると小野寺さんは少しだけ照れくさそうにして視線を泳がしフッと笑った。
小野寺｢...でも今どき意味ねぇと思うぞ？そんなレントゲンフィルムにしたって。フィルムの方が鮮明に映るなんて昔の話だ。今はモニターの画質も上がって見え方に大差はない。｣
五十嵐｢...でも、使い方次第かと！｣
私も五十嵐さんの返答に同意するように頷き、小野寺さんに一礼してから暗室を出ようとする。
小野寺｢...お前ら、何確かめようとしてんだ？｣
小野寺さんの言葉に私達は足を止め、振り返る。
五十嵐｢.....健太郎くんは.....リ・フラウメニ症候群かもしれません。｣
小野寺｢...リ.....？...何だかよくわかんねぇけど早く戻って来いよ！安藤先生も読影まだ残ってんだろ？...放射線科医は忙しいんだし...｣
A｢あ、大丈夫です。朝の時点でもうほとんど終えましたから。｣
Aは小野寺に軽く笑顔を見せてから去って行く。
小野寺｢...は？｣
暗室に残された小野寺は酷く顔を引きつらせていた。
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五十嵐｢伊東さんシャウカステンある場所知ってます？｣
A｢あ〜...確か整形外科にあったと思います。私が読影することにして許可もらってみます！｣
五十嵐｢すみません助かります...！｣
Aは内線で整形外科に事情を説明していく。
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シャウカステン･･･レントゲン写真を見る際に用いる蛍光灯等を備えた機器
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奏奏奏(プロフ) - 愁さん» ご指摘ありがとうございます*_ _)訂正致しました！ (2019年6月28日 19時) (
レス) id: 681665cbc9 (このIDを非表示/違反報告)
愁 - はじめまして(*^^*) いきなりすみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 設定のここの部分 すると講義で五十嵐が日本で技師として働くということを耳にし、アメリカで修行を詰んだ後に帰国。 これ正しくはアメリカで修行を積んだではないんでしょうか？ (2019年6月28日 18時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - SUBARUさん» ありがとうございます！これからお話を進めながら主人公の過去編なども交えていけたらいいなと思っています。五十嵐さんの天然な所を描くのが難しくて苦戦していたのでとても嬉しいです！ (2019年6月10日 20時) (レス) id: 3daaf042e6 (このIDを非表示/違反報告)
SUBARU - 主人公のご両親の亡くなり方がとても切ないですね‥‥。後、五十嵐さんの天然さがちょいちょい表れるところが、やっぱり大好きです！ (2019年6月10日 1時) (レス) id: 9ff0393da1 (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - SUBARUさん» ありがとうございます！ゆっくり仲を深められたらなぁと思っています。今後ともよろしくお願いします´`* (2019年6月7日 20時) (レス) id: 3daaf042e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏奏奏 | 作成日時：2019年5月28日 20時
