275話 ページ30
. 鬼道side
豪炎寺の不注意で氷室が怪我をしたことに俺は腹が立った。
そしてアイツは氷室に甘えて咄嗟に謝罪の言葉も伝えなかった。
俺は奥歯を噛む。
目の前にいる、ほんの数十cm離れた先にいる、コイツの目にはきっと俺は写っていないだろう。
きっと氷室は俺ではなく、豪炎寺を見ている。
そんなことは雷門に来た時から分かり切っていた。
だからこそ俺は豪炎寺が許せられなかったんだ。
俺も、氷室のことが好きだから。
鬼道「.....氷室」
A「ん？」
俺が名前を呼ぶと、氷室は特に動揺することもなく首を傾げた。
俺は少し自分自身を嗤ってしまう。
この状態でも全く意識すらされないとは。
鬼道「.......この状態で、お前は何も思わないのか？」
俺は少し氷室との距離を詰めて問いかける。
A「...えっと.....どういうこと？」
瞬きをして首を傾げるA。
鈍感、という言葉では収まりきらないほど酷いな...
俺は若干諦めつつ苦笑いして、距離を離そうとすると、何かに遮られるような感覚に陥った。
視界が、広い。
そして目元が涼しく、俺の目と鼻の先には整った氷室の顔があった。
鬼道「.......なっ！！」
俺はガタッと音を立てて後ろに置いてあった机へと倒れ込む。
カッと顔に熱が集まる感覚を覚えた。
それを見た氷室は「だ、大丈夫？」とこちらを心配そうに見つめてくる。
よく見てみると、彼女の手には、俺のゴーグルが握られていた。
A「...あ、ごめん取っちゃって。」
へへ、と言って笑いながら彼女は転げ落ちた俺に近付く。
そして腰を落として俺に近付き「へ〜」と声を漏らしている。
鬼道「.....何見てるんだ...」
A「...鬼道ってキレーな目してるんだね」
そう言ってからAは俺にゴーグルを手渡して、「僕そろそろ病院行くから、またね」と言って部室から出て行った。
鬼道「.....はぁあ.....」
俺は普段より熱い額に手を当てて項垂れる。
少し俺の持っている好意を伝えられれば、そう思っていたのに、まさかこんなことになるとは。
豪炎寺に対して持っていた憤りを忘れ、俺は火照った顔を洗おうと水飲み場へと足を進めた。
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豪炎寺修也推し - 奏奏奏さん» お久しぶりです！受験生なのですね。無理せず、奏奏奏さんのペースで頑張ってください！ (2019年10月22日 21時) (
レス) id: e2e58e1092 (このIDを非表示/違反報告)
水銀(プロフ) - ここまで一気読みしてしまいました！主人公と豪炎寺の関係性最高です…！！これからどうなっていくかとても楽しみです！ (2019年8月29日 0時) (レス) id: 78abf1c607 (このIDを非表示/違反報告)
麻衣蘭(プロフ) - 奏奏奏さん» 了解だよ！宜しくねー！ (2019年5月21日 19時) (レス) id: 396c72dd9d (このIDを非表示/違反報告)
奏奏奏(プロフ) - 麻衣蘭さん» 承認致しました！当方あまりこちらのサイトに詳しくありませんのでフレンドシステムを使ったことが無く...(汗)もし何か必要なことがあれば仰って頂けると嬉しいです*_ _) (2019年5月21日 18時) (レス) id: 3daaf042e6 (このIDを非表示/違反報告)
麻衣蘭(プロフ) - 奏奏奏さん» わわっ！本当ですか！？是非是非！嬉しいです！申請送っておきますね！ (2019年5月21日 18時) (レス) id: 396c72dd9d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏奏奏 | 作成日時：2019年2月14日 22時
