Stand By You 【赤】 (ページ16)

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6話ページ16

「体育祭盛り上がっていくぞー！！」

しげくんの掛け声と共に「おー！」と円陣を組む私たち。

遂に体育祭の日。

私と遥香は借り物競走に出ることになった。

しげくんと神ちゃんと小瀧くんはクラスの代表リレーに出るとか。

そしてしげくんは応援団長もすることに。

いつも下ろしている前髪は今日は上がっていた。

下ろしている時は可愛らしいなと思っていたけれど上げていると男らしいなと思った。

体育祭の保護者席に珍しくお兄ちゃんがいた。

遥香にも紹介したくて、遥香を連れてお兄ちゃんのところへ向かった。

私に気づくと嬉しそうに手を振った。

『来てくれたんだ』

「おん。来年3年生やから来年にしようと思ったんやけど、来れるかわからんから来ようかなって」

『そっか、ありがとう』

「で、隣の子は？」

『そうそう、遥香』

遥香は少し緊張したようにお兄ちゃんに挨拶をする。

お兄ちゃんは嬉しそうに笑って「Aをよろしくな」と言った。

「そういえばな、濵ちゃん来とるよ」

近くを見回すと凄く撫で肩で優しそうな男の人が立っていた。

濵ちゃんだ。

濵ちゃんに会うのは中学生ぶりだから嬉しくて遥香を置いて濵ちゃんに抱きついた。

『濵ちゃん！』

少しよろけながらも私を受け止めてくれる濵ちゃん。

「おお、Aや。やっと見つけた」

「久しぶりやな」って言いながら私の頭を撫でる濵ちゃん。

変わらない濵ちゃんの温かさに胸がたかなった。