【黒尾鉄朗】 惚れたら負けな。 【HQ!!】

卑怯。 ページ30

あっという間に最終日。


烏野の皆といろんな話をしたり、


梟谷の皆とトランプしたり、


やっちゃんと一緒にマネの仕事したり。



少しの間でたくさんのことがあった。





そして、少しの変化に気付いた。




合宿の間で潔ちゃんとクロが何度か
二人だけで話している所をみかけた。




潔ちゃんの視線が、クロに向いてることも気づいてしまった。




もしかして…




考えたくないような話が頭をよぎる。




今はもう帰りのバス。



皆に手を振って、別れを告げる。



潔ちゃんも、振り返してくれた。



潔ちゃんが。大事な友達が。


クロを好きなのかもしれない。



潔ちゃんの恋を邪魔することはしたくない。



でも…。




「私だって好きなんだよなぁ…」





誰が？と隣からかかった声で、
はっと我に返る。




「ううん、なんでもない」




クロ「もしかして」



「…？」




クロ「ツッキー…？好きなの？」




「違うよ…」





クロ「んーじゃあ赤葦か？」



「ちがうってば…」





クロ「じゃあ俺？」




「ちが……！いますけど」




クロ「ふーん…」




なにその反応。





クロ「まーだ俺に惚れねーの？強者だなお前」




「うるせー」



しばらく沈黙が続いた。



クロ「………なあ」




「…ん」





クロ「明後日もオフだろ？」




「え、うん」




クロ「その日、夏祭りあんだけど。行く？一緒に」




行きたい。




けど、潔ちゃんの知らないところで
そんなことするの卑怯だよね…




「あ、その日ちょっと分かんないかも…」




クロ「えー毎年行ってんのにー？」





「ごめん…」



ホントは行きたいよ。


その日、予定ちゃんと空けてあるよ。




クロ「なんか…今日のA、変」



「ほっとけー」



そういわれても仕方ないか。

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