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No side
「何やってんだよ パー!!」
堅が春樹を突き飛ばし、地面に倒れ伏している長内に視線が集まる。
「逃げるぞ パー!!!」
パトカーの音が近づき、万次郎は焦って春樹を呼ぶ。
「ゴメン...マイキー。ペーやん、参番隊を頼む。
オレ、自首する」
☆
警察から逃げる途中で気を失った武道が目を覚ましたのは病院で、すぐ傍にはエマがいた。
エマは万次郎と堅は喧嘩が喧嘩を始めたと涙を流す。
「マイキー派、ドラケン派とか言って東卍が2つに割れちゃって
"パーちんが捕まった"のがどうたらってみんなで争い出して
武道が倒れてる間に未来で聞いた話の通り東卍の内部抗争が起きてしまっていた。
☆
『は?春樹が
稜介はその美しい顔を歪ませて周りに圧を振りまいた。目の下にはこの時期特有の忙しさ故か薄らと隈ができている。
可哀想なのはたまたまこの場に居合わせてしまった稜介と仁斗の部下だろう。この忙しい時期にはいつもフル活動で会社を回す。普段温厚な稜介のこの空気に慣れていない部下は顔を青くしてただ圧に耐え続けるしかない。
手に力を入れすぎてくしゃくしゃになった書類を受け取りながら仁斗はホットタオルを稜介の目元に乗せる。
「自首したらしい」
仁斗の言葉に稜介は固まる。
ただ抗争をしていて警察に捕まったのなら金の力でも使って出してやれる。現に稜介は忙しいながらにそうしようとしていた。
しかしそれが自首であるならば話は別だ。ただ捕まるのとは違い、自首は覚悟がいる。自分の罪を自分で償うのだ。
「
『万次郎と堅はどうしてる』
「いつも通り喧嘩中。ただ内容が"春樹を金で出させたい"万次郎と"それに反対"の堅らしい」
『今回は長引くな。本来なら万次郎が退くべきだがそう簡単にはいかんだろ』
「同感だ」
確認のように淡々と話す稜介と仁斗。先程までの圧は霧散し、身を縮こませて震えていた部下たちは胸を撫で下ろす。
『もう少ししたら時間作れるよな』
「エマか...」
電話口で泣きながら助けを求められて、今仕事で手が離せないとしか言えなかった稜介の気持ちがわかるだろうか。
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Risa(プロフ) - 続き待ってまーす!!! (2023年4月19日 17時) (レス) @page32 id: 2b536c0b94 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 続きが見たいです! (2023年3月15日 17時) (レス) @page32 id: 3b16f5e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
りさ(プロフ) - 続きが凄く気になります、! (2022年8月13日 9時) (レス) @page32 id: f148938447 (このIDを非表示/違反報告)
runva - 続き待ってます〜 (2022年6月4日 20時) (レス) @page32 id: b1b697b532 (このIDを非表示/違反報告)
。 - 続きはよ (2021年9月27日 7時) (レス) id: 428de36953 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼月 | 作成日時:2021年8月3日 17時