74勝 ページ34
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放課後＿
予定通り青峰、緑間、黄瀬がさつきと共に二軍の練習試合に向かう。
その試合に出ていた緑間、ベンチで待機していた黄瀬、データを取っていたさつきは信じられない光景を目撃していた。
「青峰 50点目ー」
「なんて奴だ 止まんねー!!」
同じキセキの世代である緑間も出てはいるが、帝光の取った131点の約3分の1をたった1人で取っている。
どんな体勢、どんな角度、どこから放っても必ず決まるシュートに思わず笑みがこぼれる。
「(おいおいもしかして...
1番絶好調なのって...オレじゃねーの!?
ははっ 負ける気がしねぇー)」
☆
その日の夜、家に帰ったルナは、さつきから送られてきた練習試合のデータとビデオを観る。
『やっぱりこうなったか...』
バスケというのは、点差が開けば開くほど途端に面白くなくなるスポーツである。バスケの本場のアメリカでは大きな点差は当たり前で、プロとアマチュアがストリートで試合をすることだってある。
どれだけ大きな点差がついても、最後まで戦い抜くことが相手への礼儀。まあ、何度もアメリカでストリートバスケをやってきたルナとしてはそんなことは当たり前ではある。
才能が開花し、どんな体勢、どんな角度、どこから放っても必ず決まるシュートは青峰にとってとても気持ちのいいものだっただろう。観ているルナとしても、後輩の才能の開花は嬉しいものであった。
しかし青峰は気づいてしまった。いつしか相手の動きは鈍くなり、笑顔が消えていることに。
自分が好きなバスケをやればやるほど相手から笑顔を奪い、頑張ったら頑張っただけ楽しかったバスケが途端につまらなく感じてしまう。
もちろんルナは、こうなってしまう事を理解はしていた。でも彼には仲間がいる。支えて、引っ張って、同じ悩みを共有できうるチームメイトがいる。
そして彼がいることで輝ける"影"だって。
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作者名：蒼月 | 作成日時：2021年6月9日 6時
