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65勝 ページ24

珍しい1日オフの日。ルナはこれでもかとオフを満喫していた。

いつも通り早朝から佐久早とランニングをし、課題を片付ける。今日は佐久早や古森、白鳥沢のバレーを中心としたビデオ分析を消化していく。

母の代わりに昼食を作り、ついでにスイーツも作っておく。午後からは午前練だった佐久早とバレーの練習。

今までにないほど完璧なスケジュールだった。そう、だった(・・・)



佐久早聖臣門の前に灰崎って奴がウロウロしてる
佐久早聖臣ルナに用があるらしいから連れてく

まさか佐久早からこんな連絡が来るとは思ってもいなかったからすぐに電話をしてしまったルナは悪くないだろう。多分。

とはいえ、何故灰崎がルナの家まで来ているのか。アポはもちろんない。住所は晶か虹村。いや、虹村が灰崎に教えるはずがないから晶だろう。


ルナショウゴに家教えた?
あ、教えた
言うの忘れてた、ゴメン


犯人は晶で確定。では、態々家に来た理由は?これはもう本人に聞くしかないだろう。





「俺、部活退部するわ...」

『...ショウゴが退部するのは別に構わない。けどそれをなんで私に言いに来た?』

厳しいことを言うようだが、強豪の帝光バスケ部は当たり前のように厳しい。毎日のように朝練があり、夕練も日が暮れるまで続く。休みなんてそうそう無いし、1日オフの日は月に3回ほどあればいいほうだ。

厳しい練習についてこれず、退部を希望する者も多いため、職員室や部室には退部届けが常備され、顧問はもちろん、主将やマネージャーに提出しても受理される。


部活を退部する者はこの2年の間に何人も見てきた。灰崎が辞めれば戦力は減少するが、態々ルナに言いに来ることではない。


『本気で辞めたいと思うなら私は引き止めない。

...でも、こうして態々家に来たのは何か理由があるんでしょう?


ショウゴはバスケに強いこだわりがあるとは思えない。

なら、あなたが望むのは自分は帝光バスケにふさわしいと証明すること?あなたを退部に追い込んだセイの鼻を明かすこと?

あなたは何を望んでここまで来たの?』


そう、ルナは灰崎を退部に追い込んだ人物を知っていた。

その発端を感じ始めたのは、黄瀬が入部してすぐ。行動の端々に感じるオーラもそうだし、あの日生徒会室で緑間と話した事でもあった。

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作者名:蒼月 | 作成日時:2021年6月9日 6時

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