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64勝 ページ23

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もうすぐ5月になろうとする頃、灰崎はルナの家を訪れていた。

「いや、デッカ...」

ルナは毎日送迎をしてもらっていて、最寄り駅も家の場所も誰も知らない。だからどうしてもと晶に頼み込んで住所を教えてもらったのだが、ここまでデカいとは思わなかった。


インターホンに指をかけ、押そうとしては離して、デカい門の前をウロウロウロウロ...

「...何してんの。ストーカー?」

実際にウロウロしていたのはほんの数分ではあったが、部活から帰ってきた佐久早からしてみれば家の場所まで特定してきたルナのファンにしか見えなかった。

「あ?ちげーよ。ちょっと用事があんだよ」
「こんなとこでウロウロしてるなんてストーカーにしか見えないんだけど」
「だからストーカーじゃねえつってんだろ!! オレは帝光バスケ部の灰崎!!」
「ルナの後輩...?」
「そお!」
「なら電話でもメールでもなんでもすればいいじゃんか」
「電話もメールも知らねーんだよ!」


部内でルナの個人的な番号やメアドを知るのは、虹村と晶しかいなく、それ以外はルナが持つ部員のデータが入ったPCのものしか知らない。そのPCも個チャができないため、ここまでアポなしで来ていたのだ。

「アポなしかよ。非常識だな」

そう言いながら佐久早はルナの家の門についている指紋認証に指を当てて門を開く。

「...来ないなら置いてくけど」
「勝手に入って良いのかよ」
「どうせあれ(防犯カメラ)で見られてるし、俺だから問題ない」

灰崎がウロウロしてたのも、佐久早と灰崎の会話だってどうせ記録されている。

帝光の友人2人しか知らない住所をコイツが知っているならば、どちらかが教えたしかありえない。あの2人が教えたのならばルナに害をなす奴ではないというのが佐久早の考えだった。あとは単純にここに居座られても迷惑だ。


佐久早聖臣門の前に灰崎って奴がウロウロしてる
佐久早聖臣ルナに用があるらしいから連れてく

だだっ広い敷地内を灰崎はキョロキョロしながら佐久早の後ろについて歩く。

•*¨*•.¸¸♬︎

「...もしもし。___そう。お前の後輩。

____磯貝か虹村しかいないだろ。

_____あんな所に居座られても迷惑だっただけだ。

___非常識すぎだ。アポなしで人の家の前でウロウロウロウロ。ストーカーかと思った」


灰崎だってこんな事は非常識だってわかってる。学校は人の目があるからこうでもしないとルナと2人では話せない。

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作者名:蒼月 | 作成日時:2021年6月9日 6時

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