検索窓
今日:13 hit、昨日:0 hit、合計:27,391 hit

58勝 ページ17

シュートをしようとしていた時に灰崎に阻止された黄瀬は、そのままバランスを崩して床に膝をつく。

「ルナさんの言った通り筋力が足りてねぇんだよ」

「ああ?」

ギロ と灰崎を睨む黄瀬だったが、如何せん相手は素行が悪い灰崎だ。

「なんか俺間違ったこと言ったかよ?文句あんならせめて1回ぐらい俺に勝ってから言えよ」

膝をついている黄瀬の背中に容赦なく蹴りを入れる。

同じポジションということもあって、仲が悪い灰崎と黄瀬。掴み合い、殴り合いの喧嘩に発展するところを周りの3年が体を張って止めるが、生憎と体格に恵まれた2人はそう簡単には止められない。


『喧嘩両成敗』

しかし、互いに頭が上がらないルナが間に入り込んで手に持っていたクリップボードで灰崎、黄瀬の順に頭を容赦なく バン、バン と叩けば、頭を押さえてしゃがみこむ。

『次喧嘩したらダッシュ5本追加ね。1週間』


無情にも告げる声に2人は大人しくなる。


「仲悪いだけならまだしも毎回モメんなよ」

灰崎と黄瀬の喧嘩は日常茶飯事。緑間と紫原も仲がいいとは言えないが、2人のように乱闘になることはありえない。2人の性格的に。

なんせ"人事を尽くして天命を待つ"がモットーのおは朝信者とお菓子大好きやる気ゼロマンだ。





朝練が終わり、タオルとスクイズを渡しながらルナは赤司に話しかける。

『セイ、貴方何考えてるの...?』

先程の灰崎と黄瀬の喧嘩。止めたのはルナだったが、妙に冷たい視線を灰崎に送っていた赤司が気になった。

なんせ、"オーラ"が揺れていた。"月神の眼(セレーネアイ)"に間違いはない。それは生まれてこの方"月神の眼(セレーネアイ)"を使いこなしてきたルナだからこそ断言出来ることだ。



「ルナさん...」

ルナの翡翠の目と赤司の紅の眼がかち合う。

未だ目覚めていない赤司の"天帝の眼(エンペラーアイ)"は、ルナの下位互換だとしても強大な力を持つ。

たとえ"月神の眼(セレーネアイ)"をもってしても"オーラ"が変わった時の赤司を見ることはできない。



「ルナさん、外で生徒会役員の子が呼んでるのだよ」

赤司の真意を探るように見ているルナを、緑間が呼びに来る。


『変なこと、考えないでちょうだいね』

赤司から目を外して颯爽と横を歩き去っていくルナ。

ルナは、赤司が何をやろうとしているのかは分からない。それでも、どこか嫌な予感は拭いきれなかった。


.

59勝→←57勝



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.5/10 (40 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
157人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:蒼月 | 作成日時:2021年6月9日 6時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。