ホグワーツの天才児番外まとめ【ハリポタ】 (ページ8)

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1周年記念 Ⅶ ページ8

椿は《ハリーポッター》を愛していた。

11歳の頃にはホグワーツからの手紙を心待ちにしていたし、成長してこの世界には魔法は存在しないこと(少なくとも自分には魔法の力がないこと)を理解してからは日本のテーマパークに行ったり英国のスタジオや聖地を幾度も巡ったりするほどだった。

そんな彼女が異世界から来たホグワーツ生(自分)と出会ったならば現在の状況は容易に理解できるのではないだろうか。

そう、
『Meteolojinx(メテオロジンクス)＿雪よ降れ』

雪を降らせ＿

『Orchideous(オーキデウス)＿花よ』

花を咲かせ＿

『Avis(エイビス)＿鳥よ』

鳥を呼び出す＿

カトレアだってかつては椿だったのだ。

ハリーポッターが大好きで、ホグワーツに憧れて、魔法を使いたいと願ったのはかつてのカトレアも同じ。

魔法で出した花束を抱え、肩に小鳥を止まらせた椿に、カトレアはとびきり美しく、楽しそうに笑って杖を振った。

『Saltare Floribus(サルタレ･フローリブス)＿花よ舞え！！』

杖先に花を出す【Orchideous(オーキデウス)＿花よ】とは違い、この呪文は杖先から花びらが飛び出し、杖の振るわれるままに＿花でできたミニサイズのホグワーツ城を作り出した。

「「「ブラボー！！！」」」

立ち上がって興奮げに拍手をする西園寺一家に、カトレアはボウ・アンド・スクレープで一礼をする。

そして次の一振で、ホグワーツ城は花びらごと消え去った。

「素晴らしいわ、カトレアさん！まさか本当に魔法をこの目で見ることができるなんて！！ずっとここにいて欲しいぐらいですわ！！」

『…ここはいい所ですわ。お父様がいらして、お母様がいらして、あなた(私)がいる。
でも、ダメですわ。同じ世界に同じ人間は2人もいりませんし、私は向こうに心残りだってあるますの。ここには残れませんわ』

「…わかっていますわ。これは私の我儘です。…私は貴方で貴方は私なんですから。貴方がいつか、いえ、もうすぐ、元の世界に戻らなければいけないことは私がよく知っていますわ」

この夢のような一時も、すぐに終わりが来る。