ホグワーツの天才児番外まとめ【ハリポタ】 (ページ7)

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1周年記念 Ⅵ ページ7

ダンブルドアを見るアシェルの顔には何の感情もなく、ただ只管に“無”だった。

アシェルとてカトレアが心配じゃないわけでも、他のスリザリン生の様にこのまま目を覚まさなければいいと思っているわけでもない。

この場にいるオリビアやソフィアたちを友達というには違う気がする(カトレアに知られたら怒られるだろうが、アシェルとしては精々知り合いが限界だと思っている)が、アシェルにとってカトレアは確かに友人だ。

だがしかし、アシェルはダンブルドアが大嫌いだ。

この史上最も偉大と呼ばれる校長がどれだけ非情で、どれだけ愛情深いのかを(・・・・・・・)アシェルは知っている。

勿論皮肉である。

ダンブルドアだって今カトレアが眠っているのは一時のことに過ぎないのを知っているだろう。

オリビアやソフィアには悪いが、そんな古狸にフォーリー家の代々伝わる魔眼(純血)を見せてやる義理なんてない。

ダンブルドアから目を外したアシェルはもう一度カトレアを見たものの、そのまま踵を返して出ていく。

ダンブルドアはそれを止めることをせず、心配げにしていたマクゴナガルやマダム・ポンフリーもまた同じ。

彼女たちは心の底からダンブルドアを信じているのだ。

「ッフォーリー！！」
「ッ！！！」

そんな中でオリビアは咄嗟に叫び、ソフィアはローブを掴んでアシェルを引き留めようとした。

「…なんだ」

二人のその行動はアシェルの足を止めさせるのに十分だった。

カトレアが倒れるのを目の前で見たのだろう。

糸の切れた操り人形(マリオネット)のように力なく崩れ落ちる体、その美しい容姿も相まって目を閉じている様子は本当に物言わぬ人形(ビスクドール)になってしまった様だった。

別にアシェルだってオリビア達に意地悪をしたい訳じゃない。

いくらダンブルドアが嫌いとはいえ、こんなにも必死で救けを求めている知り合い(しかも今まさに寝ている友人の友人)が可哀想に思わないこともない。

「...精霊のイタズラだ(・・・・・・・・)」