ホグワーツの天才児番外まとめ【ハリポタ】 (ページ4)

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1周年記念 Ⅲ ページ4

事実は小説よりも奇なり。

なんて転生をしたカトレアが言えたことではないが、今の状況はまさにそれだろう。

背後にはホグワーツで見たあの鏡とどこか似ている大きな姿見があり、今カトレアがかつての自分と手を繋いでいることから何が起きたのかは容易に想像できる＿界渡りだ。

しかし、界渡りしたのが分かったところで今の状況がマズイのには変わりはない。

西園寺という家には敵が多い。いつどこで西園寺を恨む者や西園寺の失脚を望む者に命を狙われているかわからないから、西園寺の人間の傍にはいつだってSPが張り付いている。

今だって椿や両親にすぐに駆けつけられる程の位置に鍛え上げられたSP達がいる。

ただ両親が彼らを制止してるから間に割入って来ないだけのこと。

カトレアは両親や椿、SPの視線を感じながら、繋いでいた椿の手をゆっくりと離して背後の姿見に触れた。

別にこれで元の世界＿この世界から転生したカトレアが元の世界なんて言うのも実に変なのだが＿に戻れるなんて思ってもない。

それでも試さずにはいられなかった。

「君は...否、Who are you(君は誰だ)？」

カトレアが鏡に触れ、そして何も起こらないのを確認した父が問うた。

『I'm Cattleya Evans.(カトレア・エバンズ)
Hogwarts School of Witchcraft and Wizardry students.(ホグワーツ魔法魔術学校の生徒よ)』

☆

父はカトレアを客人だと認め、サロンへと案内して紅茶を振舞った。

カトレアの前には椿が、その左右に両親が座る。

椿は目の前に座る少女を失礼にならない程度に観察する。

何とも美しい人なのだろう。白磁のような肌に、薄く色づいた唇、腰まで届きそうなブロンドの髪は艶やかで、その深緑の瞳は今は伏せられていて見えないが先程見た時は惹き込まれそうな程美しかった。

美しいのは顔だけではなく、差し出された紅茶を受け取る動作、お礼を言って微笑んだ顔、紅茶を飲む動作＿どこを切り取ってもケチのつけようのない程完璧だった。

『 ***'S original blend, it's very delicious(***のオリジナルブレンドね、とても美味しいわ)』

ふわりと微笑んだ彼女の顔とその深緑の瞳にドキリとした。それと同時に、例え彼女が自分とは似ても似つかない容姿でホグワーツの制服を着ていたとしても、やはり彼女は私だと思った。