ホグワーツの天才児番外まとめ【ハリポタ】 (ページ15)

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アシェル・フォーリー誕生祭 2023 ページ15

アシェルの誕生日を忘れてました(・・;)

未来捏造、本編とは何も関係ありません。

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ホグワーツ城の片隅、授業では使われない教室の一つにそのピアノはあった。
カトレアが見つけた時には埃をかぶっていたが、状態保存の魔法がかけられていて、埃を払ってしまえば何の問題もなく弾くことが出来た。

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そのピアノの、艶々とした黒と白の鍵盤の上をカトレアの指が躍る。
最後の音が静寂の中に消え、鍵盤から手を離したカトレアにパチパチと拍手が贈られる。
開け放った窓にアシェルが腰掛けて鑑賞していたのだ。

「綺麗な曲だな」
『あら、ありがとう』

アシェルは聖28一族フォーリー家の嫡男として一通りの芸術に手は出しているし、教養の一部としてマグルのミュージカルやオペラなども観にいったこともある。
それでも、彼女の弾くピアノは自分のは勿論、プロのものよりも美しく心が惹かれた。

「なんて曲なんだい？」
『何が良いと思う？』
「、え…？」

カトレアは悪戯が成功したように口角を上げて笑った。
いつも美しく優しく微笑んでいる彼女にしては珍しい笑い方だ、なんて、まるで現実から目を逸らす様にアシェルは思っていた。

『貴方の為に作曲したの』

カトレアは、彼と知り合った時から貴重なものをたくさん貰って来た。
でも、カトレアは彼に返せるものがない。
アシェルは別段気にしないだろうが、貰ってばかり、あげてばかりの関係なんてどうせ碌な事にならない。
カトレアはアシェルから何かを貰う為に友達をやっている訳ではない。
自分たちは対等な関係なのだ。

『私は貴方にたくさんのものを貰って来たわ。でも、私が貴方に返せるものはそう多くない』
「そんな事、僕は気にしない」
『ええ、知っているわ。でも、違うのよ。違うの、アシェル』

これは、私がやりたくてやっていることよ。
貴方と同じなの。
貴方が私に厚意をくれるように、私は貴方に厚意で返したい。

「あー、ハハッ」

ニコニコと笑いながらアシェルを見るカトレアに、彼はやられたよなんて顔を片手で覆って天井を仰ぎ見る。
まさかこんなことをしてくるなんて、

「やっぱり、君は只者じゃぁないね」

きっと、手で隠された顔はりんごのように赤いだろう。
こんな事は初めてだ。

「そうだなぁ、折角だから一緒に決めよう」

1/22 アシェル･フォーリー - ̗̀ 𝙷𝙰𝙿𝙿𝚈 𝙱𝙸𝚁𝚃𝙷𝙳𝙰𝚈 ̖́-