カトレア･エバンズ誕生祭 2022 ページ13
カトレア：7年生
リリー：5年生
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12月17日4時28分、ベッドで穏やかな寝息を立てている親友をオリビアとソフィアはそっと覗き込む。
そう、今日は我らが親友カトレア･エバンズの誕生日である。
「あと2分だよね」
「うん」
カトレアの起床時間は4時30分ぴったし。
どうやら完璧な体内時計を持っているらしく、何があっても4時30分には起きるし、余程のことがない限りその前に起きることは無い。
「あと1分」
枕元やベッドに乗り切らなくて床に積まれた大量のプレゼントの脇に立ち、杖をかまえる。
『、ん…』
ソフィアの持った懐中時計の針が真下を指し、カトレアの長い睫毛に縁取られた緑色が細く見える。
『、なぁに、』
「「カトレア！！誕生日おめでとう！！！」」
カトレアが身体を起こした瞬間、2人は叫び杖を振る。
オリビアの杖からはパンパンパンと派手な音を立てながら金色の“Happybirthday!!!”の文字が飛び出し、ソフィアの杖からは色とりどりのカトレアの花が舞う。
驚きのあまり目を見開いて固まったカトレアの上に“Happybirthday!!!”が花火のように消えて、金色の粉が舞い落ちる。
『あ、ありがとう…？』
カトレアにしては珍しすぎる反応に、オリビアとソフィアはクスクスと笑う。
寝起きのパジャマ姿で、大量のプレゼントとカトレアの花に囲まれて、そのブロンドには金文字の名残の粉で輝いている。
なんて間抜けな姿なんだろうか。
7年間ずっと一緒にいるが、こんな姿のカトレアなんてそう見たことがない。
「はい、これ私たちからのプレゼント」
赤の包装に金色のリボンで装飾されたグリフィンドールカラーのラッピングがされた5cm程度の小さな四角形の箱を渡す。
『ありがとう、開けてもいい？』
「勿論」
ラッピングを破かない様に丁寧に開けると、まるで指輪でも入っていそうな箱が顔を出す。
そっと蓋を開けると、中に入っていたのは指輪、ではなく青く澄んだ海を閉じ込めたかの様な宝石がはめ込まれたピアスだった。
『ピアス…？イヤリングじゃなくて？』
「ピアスだよ」
「うん、ピアス」
オリビアとソフィアがにっこりと笑う。
とても可愛い笑顔なのだが、妙に圧がかかっているのは気の所為だろうか。
『私ピアスホール開けてないけど…』
「知ってるよ」
「うん、知ってる」
やっぱり気の所為ではないらしい。
カトレアの顔が段々と引き攣り、蓋をそっと閉めてピアスを仕舞う。
「「勿論、今から開けるんだよ？」」
ソフィアはカトレアの肩に手を置き、オリビアは何処からかピアッサーを取り出してポーズをとった
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作者名：蒼月 | 作成日時：2023年7月1日 16時
