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「では、そろそろお開きにしましょうか」
ルーカスの言葉に辺りを見渡せば、あれ程混雑していた9と3分の4番線の駅内には既に数えられる程度の人しかいなかった。
『じゃあ、また新学期に会いましょう』
「ああ」
軽くハグをして、お互いの家族の元へ。
9と3分の4番線から姿くらましで帰るフォーリー家は、エバンズ家を見送ってくれるらしい。
カートに積んだトランクを押しながら、キングスクロス駅に通じる柱へと歩いていく。
「あ、カトレア嬢」
が、カトレアはルーカスに呼ばれて歩みを止めた。
『どうかなさいました？』
「少しいいかい？」
手招きに答えて、アシェルとルーカスの元へ戻る。
「君のような魔法使いにとって、休暇中に魔法が使えないのは苦痛だろう。特別に匂いをとってあげよう」
そう言ってローブの中から杖を取り出すルーカスに、カトレアもアシェルも驚いた。
魔法界では成人＿17歳になるまで緊急時以外での魔法の使用は禁止されている。
親が魔法使いだったりした場合は匂いも親の魔力にかき消されるが、マグル生まれはその限りでは無い。
休暇中、約2週間も杖を振ることが叶わないのだ。
理論は勿論大切だが、教科書を読むだけで魔法が上手くなるのなら誰だって苦労はない。
休暇中に家でも練習出来る魔法族の生まれの生徒と、魔法が使えないマグル生まれの生徒とでは、休暇の度に差ができてしまうのだ。
「よろしいのですか？」
「ふふ、私はお前を信頼しているからね」
ルーカス･フォーリーは、魔法省に勤める役人だ。
闇祓い局や魔法不適正使用取締局、ウィゼンガモット最高裁判所事務局などを抱える、魔法省最大の部署である魔法法執行部の部長である。
未成年の魔法の使用は、魔法法執行部の魔法不適正使用取締局で取り締まられる。
つまりはルーカスの管轄だ。
『私が、もし魔法で他人を傷付けた場合、どうするのですか？』
「その気があるなら今ここで聞かないだろう。心配しなくても大丈夫。君が信頼する息子を、息子が信頼する君を、私は信じているよ」
そう言って、ルーカスはカトレアの頭にコツンと杖を置いた。
杖先から溢れ出た光がキラキラとカトレアの全身を覆い、とろりと匂いが剥がれ落ちていく。
「さあ、これでよし。君のこれからの活躍に期待しているよ、カトレア嬢」
『ありがとうございます。ふふ、アシェルには負けませんわ！』
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蒼月(プロフ) - 光さん» 更新遅くなって申し訳ないです。書きたい欲があるうちに書けるだけ書きます！！ (7月1日 22時) (
レス) id: 0e64f68eac (このIDを非表示/違反報告)
光(プロフ) - 更新嬉しいです！！今回のお話も良かったです。続きも気になります！ (7月1日 20時) (レス) @page13 id: c03f77c018 (このIDを非表示/違反報告)
猫助(プロフ) - すごくよかったです！続き楽しみにしています！ (6月22日 19時) (レス) @page26 id: 5b3ee7c267 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - あいさん» もちろん良いですよ！！というか、ありがとうございます！！ (2022年6月3日 6時) (レス) id: 599dfade38 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 蒼月さん» 自分のペースで頑張ってください！！ 友達にもオススメしても良いですか？？ 友達めっちゃハリポタ好きでwww (2022年6月3日 0時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼月 | 作成日時：2022年5月22日 1時
