幻の最強 【東リべ】壱

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No side


タケミチ「オイオイ、そりゃねーだろーよ。泣いたってこの前だけだろ!?」
ヒナ「ハハ」
タケミチ「忘れろよ！」
ヒナ「ヤダ、忘れなーい」

タケミチとヒナの2人の笑い声が響く。


ヒナ「バイバイッ また明日ね！」
タケミチ「ウン！」

ﾊﾞﾀﾝ と閉まった扉を見ていたタケミチは、ヒナタに会う前までの情けない顔でも、あの2人で笑い合った弾けるような笑顔でもない、覚悟の決まった顔をしていた。




タケミチ「(現代で俺とヒナは付き合ってないし、何年も会ってない。俺がヒナを救う義理はない)」


ヒナ「花垣君の事、守ってあげるの！」

思い出されるのは、ヒナのあの笑顔。

タケミチ「でも...アイツは死んじゃダメだ!!」

タケミチは、溢れてくる涙を ｸﾞｲｯ と拭った。




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タケミチ side


アッくん「今日もやるってよ、喧嘩賭博。キヨマサ君から連絡があった」

いつもの5人でトイレに集まって話している。内容はもちろん、喧嘩賭博のことだ。

アッくん「今日のファイター、タクヤだってよ」

幼馴染のタクヤは、確か体が弱かった。

山岸「無理だろ！タクヤは!!」
マコト「喧嘩得意じゃねーし!!」

アッくん「キヨマサ君に言えよ！出来んのかよ？俺だって代われるなら代わってやりてーよ」

山岸とマコトの言いたいことはわかるが、アッくんの方が正しいだろう。俺らがキヨマサ君に言ったところで半殺しにされるのは目に見えてる。

タクヤ「タケミチ...見てろよ！オマエの仇、取ってくる！」

ﾆｯ と笑ったタクヤは、俺の胸に ｺﾂ と拳を当てた。

タクヤ「勝ったら牛丼奢れよ？」
タケミチ「...タクヤ...」


アッくん「頑張れよ、タクヤ！」
マコト「気持ちで負けんなよ」
タクヤ「うん...」



ダセーと思ってたけど、やっぱカッケー奴らだ。俺、中学の時こんないい友達がいたんだな。

前を歩く4人の背中が、めちゃめちゃかっこよく見えた。




あ、リョウさんからメール...？

〖今日も喧嘩賭博あるの？〗

【ありますよ】っと。

なんかあの人、オーラがちげーんだよな。なんてゆーか...逆らっちゃ行けない、みたいな。なんでだろ？




タクヤ「よーし、行こーぜ!!」
マコト「おう！」
アッくん「タケミチ、早くしろよ！」




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